糖尿病の人は炭水化物を制限する?摂取量の目安は?

2018/4/26 記事改定日: 2020/6/26
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病を改善するためには食事療法やカロリー計算が重要ですが、そこで気になるのが炭水化物の摂取量の目安です。一日の適正摂取量の計算方法や、炭水化物抜きや制限のメリット・デメリットについてご紹介します。

糖尿病患者の炭水化物の一日の摂取量の目安は?

日本糖尿病学会は、糖尿病の食事療法では、炭水化物の摂取量は一日の適正摂取カロリーの50〜60%に留めるのを目安としています。具体的な摂取量を割り出すために、まずは次の計算式でご自身の一日の適正摂取カロリー量を確認しましょう。

一日の適正摂取カロリー=標準体重(kg)×身体活動量
※標準体重(kg)=身長(m)× 身長(m)×22
※身体活動量=軽作業(デスクワークなど)は25〜30kcal(体重1kgあたり)、立ち仕事は30〜35kcal、重労働は35kcal〜
身長が160cmでデスクワークの場合
  • 標準体重は56.3kg(1.6m × 1.6m × 22)
  • 身体活動量は25〜30kcal
  • 一日の適正摂取カロリーは1400〜1700kcal(56.3kg × 25〜30lcal)
  • その適正摂取カロリーの55%を炭水化物の摂取量の目安とすると、770〜935kcal。具体的なグラム数でいうと、約192〜233g(炭水化物1gあたり4kcalで計算の場合)

糖尿病で炭水化物抜きや制限はNG?

炭水化物を制限する糖質制限食は、短期間での減量効果に優れているので、実施している糖尿病患者も少なくないでしょう。また、糖質は減らす必要はあるものの肉や魚は気にせず食べられると考えたり、糖質の少ないパンなどでも主食を代用できるため、減量中のストレスが少ないとされています。

しかし、過度な炭水化物の制限や炭水化物抜きの食事療法を自己流で行うと、健康を損なうリスクがあります。
実際に白米やパンなどの炭水化物を一切抜いた食事を数ヶ月続けた糖尿病患者で、血糖値は大幅に改善したものの、その後足の筋力低下や視力の異変などに見舞われたという例があります。これは、エネルギー源である糖分が足りない代わりに筋肉を分解したことで、筋力の減少が起こったと考えられています。

また、極端な炭水化物の制限は、脂質やたんぱく質の摂取量を増加させ糖尿病や合併症の悪化を引き起こす恐れがあるため、減量の必要がある糖尿病患者であっても、炭水化物の適正な摂取をすることが望ましいです。

極端な糖質制限による疾患リスク
  • 筋力低下
  • 視力の異変
  • 糖尿病
  • 合併症の悪化

糖尿病の人におすすめの減量レシピ

糖尿病は薬による治療と同時に食事内容に注意することも非常に重要です。ここでは無理なくダイエット(減量)できるおススメのレシピを3つご紹介します。

野菜たっぷりスープ

たっぷりの野菜をトマト風味に煮込むことで満腹感がある一品に仕上げることができます。作り方も簡単で忙しい人でも手早くダイエット料理を作ることができるおススメレシピです。

  1. キャベツ、ピーマン、ニンジン、玉ねぎなどお好みの野菜を細かくカットする
  2. 鍋に水1000㏄程度とコンソメキューブ2個、トマト缶を加えて煮立たせる
  3. カットした野菜を加えて30分ほど煮込めば完成

豆腐とレタスのホットサラダ

低カロリーながらも良質なたんぱく質が多く含まれる豆腐はダイエットの強い味方です。ドレッシングを工夫してホットサラダにすることで、主菜にすることもできますよ。

  1. 鍋にオリーブオイルをひいてよく熱し、ニンニクのみじん切りを加えて香りを立たせる
  2. ベーコン、なす、シイタケを細かくカットしたものを入れてよく火を通す
  3. 適量のポン酢と塩コショウを加えて煮詰めてホットドレッシングを作る
  4. 豆腐とレタスは一口大にカットして器に盛り、出来上がったホットドレッシングを回しかければ完成

えのきの磯辺焼き

低カロリーで食物繊維が豊富なキノコ類はダイエットに適した食材の一つです。きのこを磯辺焼きにすることでお弁当のおかずにもなる一品を作ることができます。

  1. えのきは石づきを取り除いて小分けにする
  2. 縦長にカットした海苔を、えのきに巻きつける。ほどけないように、海苔の巻き終わりに水溶き片栗粉を塗っておく
  3. よく熱したフライパンに、えのきの海苔巻きをしき、蒸し焼きにしたら完成

自炊できないときはどうすればいい?

糖尿病は薬物療法だけでなく、食事や運動などの生活習慣を改善していくことも大切です。とくに食事は栄養バランスを考えたメニューを選ぶことが大切であり、自炊が勧められています。ですが、仕事で忙しい方、体力的・身体的な理由により自炊ができない方は次のような点に注意してテイクアウトや外食を利用するようにしましょう。

  • 丼ものなど炭水化物が多くカロリーが高いメニューはできるだけ避ける
  • 適正なカロリーを意識する
  • できるだけ野菜が多めのあっさりしたメニューを選ぶ
  • デザートなど糖分が多いものは少量に控える

また、近年では糖尿病患者さんの食事療法にふさわしい食事のデリバリーや簡単に調理すればできる食材セットのデリバリーなどのサービスも多くなっています。自炊できない方はこれらのサービスを活用するのもおすすめです。

おわりに:過度な炭水化物の制限は糖尿病に逆効果。適正摂取量を把握して食事管理を

炭水化物を極端に制限した食事は大きな減量効果はあるものの、かえって糖尿病を悪化させるおそれがあります。糖尿病を改善しつつ減量も成功させるには、適正の炭水化物の摂取量を守ることが大切です。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

カロリー(27) 食事(228) 糖尿病(275) 糖質制限(19) 一日(6) 計算(5) 炭水化物(34) 摂取量(18) 目安(2) 抜き(1)