記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病は大人だけでなく、子供も発症する病気です。子供が糖尿病を発症する場合、かつては1型糖尿病であることがほとんどでしたが、最近は生活習慣の変化によって2型糖尿病を発症することもあると言われています。この記事では、子供の糖尿病について詳しく解説したいと思います。
子供の糖尿病は大人の場合と同じく、1型糖尿病と2型糖尿病があります。子供が糖尿病を発症する場合、1型糖尿病であることが多いのですが、近年は生活習慣の変化などが原因で2型糖尿病を発症する子供も増えています。
1型糖尿病は、何らかの原因ですい臓がインスリンを分泌できなくなったために血糖値が上昇する病気で、10歳から15歳頃が発症のピークと言われています。
一方、2型糖尿病はインスリンは分泌されているものの、働きが悪くなったり、分泌量が少なくなったりすることで発症する病気です。カロリーの摂りすぎや運動不足など、生活習慣の乱れが原因で発症すると言われています。
子供の糖尿病は、1型糖尿病か2型糖尿病かによって症状が異なります。
1型糖尿病は、急激に症状が進む特徴があります。
初期症状として、口の渇きや体重減少、水分摂取量が増えてトイレが近くなるといったことが挙げられます。進行すると食欲がなくなったり、意識障害(ケトアシドーシス)を起こしてもうろうとしたり、腹痛や嘔吐といった症状がみられます。最悪の場合、意識不明やこん睡状態に陥った結果、死に至ることもあります。
2型糖尿病は、1型糖尿病のような初期症状がほとんどみられないことが特徴です。自覚症状もないため、学校の尿検査で判明することもあります。
子供の糖尿病のうち、1型糖尿病については遺伝的な要素が関わると考えられています。これは、1型糖尿病を抱えている親の子供は、そうではない子供より1型糖尿病の発症率が高い、という傾向がみられるためです。
ただ、1型糖尿病の発症には複数の遺伝子が関係しているため、どの遺伝子が影響を及ぼすのかは明らかになっていません。また、親が1型糖尿病だからといって、子供も必ず1型糖尿病を発症する訳でもありません。
一方、2型糖尿病は病気自体が遺伝することはありません。ただ、インスリン分泌の低下やインスリン抵抗性を起こしやすい体質が遺伝する可能性はあります。
子供の糖尿病に多いと言われる1型糖尿病は、なんらかの原因でインスリンが分泌しなくなるために発症し、口の渇きや体重減少といった症状が急激にあらわれます。一方、2型糖尿病はインスリンの働きや分泌量が低下することで発症しますが、1型糖尿病のような初期症状はほとんどありません。また、1型糖尿病は遺伝で発症することがあると考えられていますが、2型糖尿病は遺伝することがないと言われています。