記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/27 記事改定日: 2019/2/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
仕事中などに片頭痛の症状が出てきたとき、とりあえず市販薬で症状を抑えたい、と思うかもしれません。そのようなとき、どんな薬を選べばよいのでしょうか。この記事では、片頭痛の症状が出てきたときにどんな市販薬を選べばいいかを解説します。
片頭痛は市販の鎮痛薬を飲んでも効かないことがあります。
これは市販の鎮痛薬は痛みを引き起こす生体物質を抑える働きはありますが、片頭痛の原因と考えられている「血管の収縮・拡張」による三叉神経をはじめとする神経への刺激を改善する効果はないからです。
片頭痛は脳内のセロトニンと呼ばれる物質が過剰に分泌されることで血管が拡張することが発症の引き金になると考えられています。このため、鎮痛成分が含まれた薬を服用しても症状は改善せず、治療のためにはセロトニンの働きを妨げて血管を収縮させるようなトリプタン製剤などが必要になります。
片頭痛だった場合、以下のような市販薬を服用すると症状がやわらぐ場合があります。
ただし、上記で説明したように片頭痛は痛みが起きるメカニズムが他の頭痛と違うので、一般的な鎮痛薬が効きにくい場合があります。
市販薬が効きにくい、まったく効かないときは自己判断で薬を増やすようなことは絶対にしないでください。
アセトアミノフェンは胃の負担が少ないので、空腹時にも服用することができます。アセトアミノフェンを配合する主な薬として、以下のようなものがあります。
アスピリンは頭痛全般に使われることが多い薬です。アスピリンを配合する主な薬として、以下のようなものがあります。
イブプロフェンは頭痛だけでなく、月経(生理)痛や風邪を引いたときの解熱剤として使われることがあります。イブプロフェンを配合する薬には以下のようなものがあります。
ロキソプロフェンを配合する薬は第1類医薬品のため、薬剤師経由でしか購入できません。
なお、アスピリンやイブプロフェン、ロキソプロフェンを配合する薬は、胃に負担がかかるため、空腹時に服用しないよう気をつけてください。
片頭痛の治療薬として使われるトリプタン系製剤は、市販薬では販売されていません。このため、トリプタン系製剤を服用したい場合は、病院で診てもらう必要があります。
片頭痛の症状を改善する市販薬のうち、アセトアミノフェンを配合した薬は空腹時でも服用することができます。しかし、そのほかの薬(イブプロフェン、ロキソプフェンなど)は空腹時に飲むと胃に負担をかけてしまうので、気をつけてください。また、トリプタン系製剤は市販されていないので、服用したいときは病院で処方してもらいましょう。