記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/4
記事監修医師
前田 裕斗 先生
ストレス社会の現代では、不妊に悩むカップルは多く存在し、赤ちゃんを授かるために、さまざまな努力をして毎日を過ごしているという方も少なくありません。しかし逆にその「妊活」を意識しすぎることがストレスとなり、妊娠しづらくなっている場合もあるのです。以降ではストレスが妊活に及ぼす影響や、ストレス発散方法について解説していきます。
ストレスは妊活中に限らず普段から感じるものですが、毎日のちょっとした工夫でストレスを感じにくくすることができます。
運動をして血行が促進されると、筋肉の緊張が解け、身体的ストレスが軽減されます。普段運動をする習慣がないという人も、太陽光を浴びてストレッチをするだけでもリラックス効果があるので、外に出て身体を動かしてみましょう。
バランスの良い食事は、心身の健康にとって必要なもので、またストレスを軽減させる方法としても有効です。偏食や間食を控え、野菜やたんぱく質をバランス良く組み合わせたメニューにすることが大切です。また、食事や飲み物をなるべく温かいものにすることで、身体を内側から温めることができます。
仕事や妊活に関する悩みなど、何か悩みがあるときは1人で抱え込まずに家族や友人に相談してみましょう。言いたいことが言えない状態は大きなストレスとなってしまいます。第三者に相談することで、新たな解決の糸口が見つかり、前よりも前向きな気持ちになれるかもしれません。
妊娠には卵巣ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが大きく関係しており、これらの女性ホルモンは脳の「視床下部・下垂体」という部分から指示を受け分泌されています。しかし、この視床下部という場所はストレスによる影響を強く受けるため、ストレスが過多になるとホルモンバランスを崩してしまうことがあります。
子宮内膜を厚くして、受精卵が着床しやすくする働きがあります。
基礎体温を上げ、卵胞ホルモンにより厚くなった子宮内膜をより厚くし、やわらかくする働きがあります。また、妊娠成立後の子宮を安定した状態に保つ働きもあります。
上記2つ(卵胞ホルモンと黄体ホルモン)のホルモンバランスが崩れると、生理周期や経血量が乱れるなどの生理不順が起こり、また、子宮や卵巣の機能低下につながる恐れもあります。
無排卵となる原因は、精神的なストレスだけでなく、睡眠不足や生活習慣の乱れなどの身体的ストレスも原因の一つとなります。ストレスが溜まると、排卵の指示を出す下垂体や視床下部に影響が及び、正常なコントロールができなくなります。そして、そのような状態が続くと、脳から卵巣に送られる「女性ホルモンを出して」という命令が正常に行われず、生理不順や無排卵を引き起こしてしまうのです。
不妊に悩むカップルのうちの約半分が、男性側に不妊の原因があるとされています。
男性の不妊症の原因として、射精がうまくいかない「性機能障害」や、射精される精液の中の精子の数や運動率の不具合のある「精液性状低下」のほか、ストレスが原因となり男性不妊を引き起こしている場合もあります。
現代社会では、日々の生活の中で様々なストレスやプレッシャーにさらされるため、それらのストレスが原因となり、男性の妊活に悪影響を及ぼすことも少なくありません。
睡眠不足や忙しさによる疲れは、精子の質を下げてしまう恐れがありますし、仕事や人間関係のストレスが続けば、性欲の低下につながることもあります。また、月に一度の妊娠しやすいタイミングに固執するあまり、性行為がうまくいかなかったり、腟内射精が出来ていない場合もあります。妊活へのプレッシャーやストレスを感じているのは、女性だけではなく男性も一緒なのです。
妊活中には何かとストレスや思い通りにいかないことがあることでしょう。しかし、ストレスを抱えたままだと妊娠しづらくなる可能性が高くなってしまいます。妊活を一旦休止した後すぐに妊娠したというようなケースがあるように、思いつめずに楽しく過ごしていた方が、割と早いうちに赤ちゃんができるかもしれません。妊活中も好きな映画を見たり、趣味に没頭するなど、リフレッシュするための時間を持つようにしましょう。