記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/1
記事監修医師
前田 裕斗 先生
授乳トラブルでつきものともいえる、乳腺炎。「これって乳腺炎?」「胸が腫れているような…」など、授乳中のお母さんにとって、乳房に対する悩みは尽きることがないかもしれませんね。
実際、授乳中のお母さんの約2~3割が乳腺炎になるといわれていて、ひどいときには胸の強い痛みと高熱が一緒に起きて苦しい思いをすることもあります。そこで今回は、乳腺炎の症状や授乳する際の注意点などをご紹介します。
乳腺炎とは、乳房に発赤や腫脹、発熱などがあり、授乳しづらくなることをいいます。
乳汁うっ滞症、急性化膿性乳腺炎、慢性乳腺炎の3種類があり、授乳期に多くみられるのが、乳汁うっ滞症と急性化膿性乳腺炎です。
段階もさまざまで、乳管の詰まりやうつ乳といった腫れによる痛み、また周囲の組織に細菌感染が広がることで乳房膿瘍になることもあります。
ただし、乳腺炎と自己判断できるような明確な基準はありません。いつもと何か違うな、と感じたら医師に相談するといいでしょう。
乳腺炎の主な初期症状には、以下のようなものがあります。
乳腺炎に頭痛が伴うのは、高熱が出る前兆といわれています。乳腺炎の悪化による高熱や倦怠感、寒気などは、インフルエンザや風邪と思ってしまう方もいるかもしれませんが、頭痛や寒気は乳腺炎の悪化の可能性があるということも頭に入れておきましょう。
また、乳腺の詰まりが原因になることもあるといわれています。赤ちゃんに母乳をたくさん飲んでもらえれば頭痛が治まる可能性もありますが、痛みがひどい、熱が下がらないという場合には速やかに病院を受診しましょう。
乳腺炎の対処法で効果的とされているのは、赤ちゃんに授乳することです。授乳するときに発熱があっても、化膿していなければ心配する必要はないでしょう。
授乳のときは
ことが大切です。
また、乳房を優しくマッサージすることで母乳が出やすくなります。乳腺が詰まっていると乳首が赤くなり、赤ちゃんが触れるだけで痛みが走ることもありますが、少し我慢して赤ちゃんに吸ってもらう方が早く治るといわれています。
ただし、乳腺炎になっているときの母乳は味が普段と違うこともあるので、赤ちゃんが母乳を飲んでくれないこともあるでしょう。その場合は搾乳することで、乳腺の詰まりを抑えるようにしてください。
この記事を読んでいる方のなかには、乳腺炎の始まりのような症状や母乳のトラブルなどを感じているかもしれませんね。
胸に痛みや腫れがあると、授乳するのも辛くなります。胸がいつもと違うなと感じたり、発熱や頭痛が続いて症状が悪化するようであれば、医療機関を受診しましょう。症状が改善されれば、また普段通りに赤ちゃんとの大切な時間を過ごすことができますよ。