耳鳴りの市販薬ナリピタン®の特徴と処方薬や漢方薬の種類とは?

2018/5/8 記事改定日: 2019/9/18
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「キーン」「ザー」「ゴー」といった音が聞こえる耳鳴りは慢性化すると生活に支障がでることもあるやっかいな症状です。
ここでは耳鳴りの市販薬ナリピタン®の特徴と処方薬や漢方薬の種類について解説していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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耳鳴りの市販薬ナリピタン®はどういう薬?

耳鳴りの処方薬のニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合錠(ストミンA®配合錠)と同じ成分が含まれる市販薬が「ナリピタン®」です。

ビタミンB群も配合されているので、耳鳴りだけでなく肩こりや吹き出物の改善にも効果が期待できます。
ただ、2018年9月に製造終了しているので、現状では手に入れにくいでしょう。

耳鳴りの処方薬にはどんな種類があるの?

耳鳴りは原因や症状などにより治療方法も変わってきます。基本的には病院を受診して自分にあった薬を処方してもらったほうがいいです。
耳鳴りの処方薬としては以下のものがあります。

アデノシン三リン酸二ナトリウム

アデホス®やトリノシン®などが該当します。メニエール病など内耳の異常が原因のめまいに有効です。めまいの予防効果もあります。

副作用や注意点

アデノシン三リン酸二ナトリウムで注意すべき副作用は、胸部の不快感や痛みです。突然意識を失うこともありますので、服用を開始してこれらの胸部症状が見られる場合は速やかに使用を注意して病院に相談するようにしましょう。
また、吐き気や嘔吐、動悸、頭痛などの副作用が見られることがあります。

イソソルビド製剤

イソバイド®などが該当します。メニエール病の治療でよく処方される薬で、内耳に蓄積された水分を移動させ排尿する作用で、耳鳴りを改善します。

副作用や注意点

イソソルビド製剤には重大な副作用は少ないとされていますが、まれに薬の成分に対してアレルギーを起こし、蕁麻疹や皮膚のかゆみが生じるほか重症な場合にはアナフィラキシーショックに陥ることがあります。
そのほかにも吐き気や嘔吐、下痢、不眠、頭痛などの副作用も報告されています

また、イソソルビド製剤は利尿作用があり、脱水状態の人や腎機能に障害がある人などはそれらの症状が悪化する可能性があるため、慎重に服用する必要があります。

ステロイド薬

プレドニン®などが該当します。前庭神経炎やメニエール病による耳鳴りに有効で、神経や内耳の炎症を緩和する効果があるとされます。

副作用や注意点

ステロイド薬は短期間使用するのみでは大きな副作用は現れませんが、長期間に渡る服用や大量な服用は免疫力の低下、骨の脆弱化、肥満、多毛、抑うつ気分など様々な副作用を引き起こします
とくに免疫力の低下は感染症にかかりやすくなるなど重大な症状を引き起こすことがありますので注意が必要です。

ステロイド薬を大量かつ長期間に渡って服用する場合は、副作用の発現に十分注意することが大切です。

ビタミンB12製剤

メチコバール®などが該当します。ビタミンB12は神経細胞の修復を助ける作用があり、水溶性のため体内に蓄積しにくい点から、安全性にも優れていると言われます。

副作用や注意点

ビタミンB12は食品にも含まれている成分のため、重大な副作用はほとんどありませんが、まれに成分にアレルギー反応を生じ、蕁麻疹や皮膚のかゆみなどを引き起こすこともあります。服用を開始してそれらの症状が見られたときは服用を中止して速やかに病院に相談するようにしましょう。

ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合錠

ストミンA®配合錠が該当します。内耳の細胞の機能を修復するニコチン酸アミドと、内耳の血流を良くするパパベリン塩酸塩の作用により、神経や内耳の異常が原因の耳鳴りに有効です。

副作用や注意点

ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合錠には発生頻度の高い副作用はないとされていますが、肝機能障害、発疹、動悸、血圧上昇、眠気、頭痛、便秘、紅潮、発汗などの副作用が報告されています。服用を開始して何らかの異常を生じた場合は使用を中断しましょう。

また、ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合錠は緑内障や不整脈の既往がある人が服用すると症状を悪化させることがありますので注意が必要です。

抗不安薬

抗不安薬には、自律神経の乱れによる耳鳴りを緩和する効果があるとされます。よく処方されるものとしては、持続効果が比較的長いロフラゼプ酸エチル(メイラックス®など)、比較的作用時間が短く頓服使用に適しているアルプラゾラム(ソラナックス®など)、即効性の高いクロチアゼパム(リーゼ®)が挙げられます。

副作用や注意点

抗不安薬は依存性があるものも少なくありません。安易な使用はかえって症状を悪化させる可能性があり、薬の増量などが必要になることもあります。

また、眠気や活動性低下などの副作用が現れることがあり、転倒などによる思わぬ怪我を招くことがありますので慎重に服用しましょう。

耳鳴りに効果的な漢方薬は?

耳鳴りに効果的な漢方薬としては、以下のものがおすすめです。

苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)は、耳の周辺や頭で滞っている水分の流れを整える作用があります。体力が中等度以下で慢性的なストレスを感じており、耳鳴りの他にめまいや立ちくらみ、頭痛を伴う方におすすめです。

八味地黄丸

八味地黄丸(はちみじおうがん)は、体力が中等度以下で冷え性の方におすすめです。耳鳴りだけでなく頻尿、腰痛を改善する効果もあるとされます。

当帰芍薬散

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、血行不良からくる耳鳴りの改善に効果があり、虚弱体質で冷え性、貧血の方におすすめです。更年期障害による耳鳴りにも効果的とされます。

七物降下湯

七物降下湯(しちもつこうかとう)には血管を拡張する効果のある生薬が配合されているため、血圧を上昇させることで、耳鳴りを改善する効果が見込めます。体力中等度以下で疲労感があり、のぼせや肩こりが見られる方におすすめです。

おわりに:耳鳴りは基本的に医師に相談しよう

ご紹介したように、耳鳴りの薬にはさまざまな種類があります。耳鳴りは原因や体質、症状によって適した薬が違ってきますので、必ず医師に相談して自分にあった薬を選んでもらいましょう。

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