記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/2 記事改定日: 2020/1/23
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠初期にイライラしやすくなってしまったという声を聞いたことはありませんか?妊娠初期のイライラは、ホルモンバランスが変化するためといわれていますが、そのほかにも原因はあるのでしょうか。
この記事では、妊娠中にイライラの原因とイライラの対処法とあわせて説明していきます。
妊娠が成立するとプロゲステロンという女性ホルモンが増加します。プロゲステロンは妊娠を継続して赤ちゃんを守る大切なホルモンで、妊娠8か月ごろまで増えていきます。
プロゲステロンは、いわゆる妊娠初期のイライラの原因であり、だるさや吐き気、ほてり、便秘などのほか、憂鬱さやイライラを引き起こします。
また、個人差はありますが妊娠への不安や、上の子の世話、家族や職場での人間関係など、さまざまなストレスがイライラの要因になることもあるようです。
このような妊娠初期のイライラは、一般的には妊娠16週目ごろの安定期には落ち着いてくることが多いといわれています。
これは胎盤が出来上がってくることでつわり症状が落ちついてくることや、安定期に入ると職場や身近な人への報告も終わり、出産に向けての環境が整ってくるということが関係しているかもしれません。
一方で、体調は落ち着いても、周りの理解が得られない、きょうだい児の子育てで忙しいなどでストレスを感じる機会が多いとイライラが長引くこともありますので、妊娠中のイライラがどのくらい続くかには個人差があります。
そういった意味では、イライラしない環境作りが大切になってくるでしょう。
妊娠初期は上でも述べた通り、ホルモンバランスが急激に変化し、出産や育児について不安・悩みを抱えることも多いため気持ちが落ち着かず、イライラすることが多くなります。
妊娠初期のイライラは「ある程度は仕方ないこと」と割り切ってうまくやり過ごすしかありません。ここではおススメのイライラ対処法をご紹介しますので試してみて下さい。
イライラが高まると副腎からストレスに対応するため様々なホルモンが分泌されます。そうしたホルモンは血管を収縮させ、血圧の上昇や心拍数の増加などを引き起こす効果があります。
ストレスホルモンは一部胎盤を通って胎児へ移行する可能性はありますが、胎児にはストレスホルモンに抵抗する力が備わっています。そのため、ときどきイライラするという程度であれば、胎児への影響はほとんどないといわれています。
妊娠初期にイライラすることによる胎児への影響は、あまり心配しすぎないようにしましょう。
ただし、あまりにも強いストレスは母体へ影響を与えることがあるので、結果的に以下のような影響が出ることもあります。
切迫流産は、妊娠は継続している状態ですが、出血やお腹が張るなど、流産の兆候がある状態です。
イライラすることでアドレナリンが分泌されると、手足や子宮の血行が悪くなってしまうことがあります。赤ちゃんのベッドである子宮の血行が悪くなることは良い状態ではありません。
妊娠高血圧症候群は妊娠20週目〜分娩後12週目までに高血圧を発症することです。妊娠することで血管への負担が大きくなることが発症の原因と考えられています。
高血圧や腎臓病、糖尿病などの持病がある人や、高齢での妊娠、双子や三つ子といった多胎妊娠などでなりやすいといわれていますが、過度なストレスが要因になることもあります。
吐き気に代表されるつわり症状は、ホルモンバランスの変化が大きな原因ですが、精神的なものの影響も受けるとされています。
妊娠初期のイライラはホルモンバランスの変化が一番の原因ですが、このとき分泌されるホルモンは赤ちゃんを守るためには大切なものです。妊娠初期のイライラはある程度は仕方がありません。安定期には落ち着くことも多いので、自分なりの発散方法を見つけて溜め込みすぎないようにしましょう。