妊娠初期のイライラは胎児に影響する?イライラはいつまで続く?

2018/5/2

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

妊娠初期にイライラしやすくなってしまったという声を聞いたことはありませんか?
実際に妊娠初期はホルモンバランスが変化するため、妊娠しやすいといわれています。では、妊娠中にイライラすることは胎児に影響するのでしょうか。イライラの対処法とあわせて説明していきます。

妊娠初期のイライラは胎児に影響する?

イライラが高まると副腎からストレスに対応するため様々なホルモンが分泌されます。そうしたホルモンは血管を収縮させ、血圧の上昇や心拍数の増加などを引き起こす効果があります。

ストレスホルモンは一部胎盤を通って胎児へ移行する可能性はありますが、胎児にはストレスホルモンに抵抗する力が備わっています。そのため、ときどきイライラするという程度であれば、胎児への影響はほとんどないといわれています。
妊娠初期にイライラすることによる胎児への影響は、あまり心配しすぎないようにしましょう。

妊娠初期のイライラはいつまで続く?

妊娠初期のイライラは、一般的には妊娠16週目ごろの安定期には落ち着いてくるといわれています。胎盤が出来上がり、だんだんとつわり症状も落ちついてきます。また、安定期の頃になると職場や身近な人への報告を行って、出産に向けての環境が整ってくるということもあるでしょう。

一方で、体調は落ち着いても、周りの理解が得られない、きょうだい児の子育てで忙しいなど、ストレスを感じる機会が多い人もいますから、イライラが続いていく人もいます。

妊娠初期のイライラがとまらない・・・どうおさえる?

イライラがとまらず、家族にあたってしまった…など自己嫌悪を繰り返しているという人もいるかもしれません。しかし、妊娠初期のイライラはホルモンバランスの変化が一番の要因です。ある程度はしょうがないと割り切って、イライラを上手に発散することも大切です。

だれかに相談する

イライラすることや悩んでいることは、誰かに話すとスッキリするものです。ひとりで考えていると、同じことを何度も繰り返してしまって出口が見つからなくなってしまいます。パートナーや、友人、ときにはSNSなどを活用して、相談したり愚痴をこぼしたりしてみてはどうでしょうか。

気分転換の方法をみつける

妊娠初期の激しい運動は難しいですが、近所への散歩などは気分転換になるでしょう。また、本を読む、写真を撮るなど妊娠前に好きだったこと、やってみたかったことを無理のないペースで行ってみるのも良いでしょう。産まれてくる赤ちゃんのために、アルバムやベビーグッズを選ぶことで、妊娠や出産の不安がやわらぐ人もいるかもしれません。

イライラしたままでいると・・・?

妊娠初期のイライラによって分泌されたストレスホルモンは、胎児に移行しても赤ちゃんの力で跳ね返してくれます。しかし、あまりにも強いストレスは、母体への影響を与え結果的に胎児に影響が出ることもあります。

切迫流産のリスク

切迫流産は、妊娠は継続している状態ですが、出血やお腹が張るなど、流産の兆候がある状態です。イライラすることでアドレナリンが分泌されると、手足や子宮の血行が悪くなってしまうことがあります。赤ちゃんのベッドである子宮の血行が悪くなることは良い状態ではありません。

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群は妊娠20週目〜分娩後12週目までに高血圧を発症することをいいます。妊娠によって、血管への負担が大きくなることで発症すると考えられています。高血圧や腎臓病、糖尿病などの持病がある人や、高齢での妊娠、双子や三つ子といった多胎妊娠などでなりやすいといわれていますが、過度なストレスも誘引になるとされています。

つわり

吐き気に代表されるつわり症状は、ホルモンバランスの変化が大きな原因ですが、精神的なものの影響も受けるとされています。

妊娠初期にイライラしちゃうのはどうして?

妊娠が成立するとプロゲステロンという女性ホルモンが増加します。プロゲステロンは妊娠を継続して赤ちゃんを守る大切なホルモンで、妊娠8ヶ月ごろまで増加するといわれています。しかし、プロゲステロンは妊娠初期のイライラの最大の原因で、だるさや吐き気、ほてり、便秘などのほか、憂鬱さやイライラを引き起こします。

また、個人差はありますが妊娠への不安や、上の子の世話、家族や職場での人間関係など、さまざまなストレスがイライラの要因になる可能性があるでしょう。

おわりに:妊娠初期のイライラは、あまり気にしないのが大事

妊娠初期のイライラはホルモンバランスの変化が一番の原因ですが、このとき分泌されるホルモンは赤ちゃんを守るためには大切なものです。妊娠初期のイライラはある程度は仕方がありません。安定期には落ち着くことも多いので、自分なりの発散方法を見つけて溜め込みすぎないようにしましょう。

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