乳腺炎の原因に合わないブラジャーや食事が関係してるって本当?

2018/5/31

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

乳腺炎は、授乳期によく起きる胸のトラブルで、その原因の一つとして、きついブラジャーの装着や食事内容などがあります。甘いものや脂っこいものを食べた後に胸が詰まりそうになったり、ワイヤー入りのブラジャーをやめてから母乳の出がよくなったという方もいるのではないでしょうか。以降ではそんな乳腺炎になる原因や対処法について解説します。

乳腺症の原因はきついブラジャー?

乳腺症には「急性うっ滞乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2種類があります。乳腺に母乳が溜まり、詰まって炎症を起こしてしまうものを「急性うっ滞乳腺炎」と呼び、細菌入ったことで乳腺が炎症を起こすものを「化膿性乳腺炎」と呼びます。

急性うっ滞乳腺炎の原因

急性うっ滞性乳腺炎は、産後10日以降に発症しやすいとされています。片側の胸の一部分が赤くなり、痛みを感じます。また、38.5℃以上の発熱や、全身の倦怠感などが起こる場合もあります。原因としては、以下のことが挙げられます。

  • 赤ちゃんの母乳の飲み方が偏っていて、左右の母乳量のバランスが悪い
  • 授乳間隔にばらつきがある、母乳の飲み残しがある
  • きついブラジャーや姿勢の悪さなどによる胸部圧迫

化膿性乳腺炎の原因

化膿性乳腺炎は、赤ちゃんの口を通して乳腺に細菌が入ることにより、急性うっ滞乳腺炎が悪化し発症します。授乳中の人がまずかかるのは、急性うっ滞乳腺炎であることが多いです。

乳腺炎の原因に食事は関係ある?

食事と母乳の質・量の関係性については、実はまだはっきりとした根拠はありません。
WHO(世界保健機関)は食事と乳腺炎の関係について、「高塩分・高脂肪の食事は乳腺炎の原因になると考えられているが、根拠ははっきりしていない」と発表しています。

しかし一方で、母乳相談室や母乳外来、医師の監修による書籍などの乳腺炎予防の食事指導において、「関係性ははっきりしていないが、高塩分・高脂質の食べ物は控えておく方が無難」だとされています。

乳腺炎の原因に寝不足や疲れも関係してるって本当?

乳腺炎と疲れの関係

乳腺炎は寝不足が続いていたり、疲労が溜まっていたりすると乳房の内側が詰まり、しこりができやすくなるとされています。普段から赤ちゃんの世話や家事で忙しいという人は、あらかじめ家族や周囲の人に、「疲れると乳腺炎になりやすい」ことを伝えておき、ご自身の負担をなるべく少なくなるようにしましょう。

乳腺炎になってしまったら

乳腺炎になってしまったときは、無理をせずにしっかりと睡眠をとることが大切です。乳腺炎が悪化した場合、全身の悪寒や発熱などの症状が起こるので、授乳も横になりながら添え乳で行うようにしましょう。

母乳マッサージの指導などでは、詰まりやすい人は3時間おきの授乳が良いとされていますが、本当に疲れている時や睡眠不足の時はミルクを足して眠ることも時には必要になります。まずは、疲れを溜めないことが何よりも大事なのです。

ストレスが乳腺炎の原因になるの?

ストレスを溜めやすい人や神経質な人ほど、乳腺が詰まりやすい傾向にあるので、家の中でもできるリラックス方法を見つけたり、睡眠を工夫して確保することが必要になります。

マッサージをする

ストレスがかかると、背中が凝り老廃物が流れにくくなるので、保湿力の高いマッサージオイルで背中や肩の凝りをほぐしていきましょう。基本的に、乳房のマッサージは助産師さんにやってもらうことが多いですが、背中のマッサージならパートナーでも可能なので、ぜひ、空いた時間などにやってもらいましょう。

自分のサイズに合った授乳ブラジャーをつける

ワイヤー入りのブラジャーや、サイズの合っていないブラジャーは、乳房を過度に圧迫するため、身体的にも精神的にもストレスを与えてしまいます。きちんとバストのサイズをはかり、自分のサイズに合った授乳用ブラジャーを購入するようにしましょう。

おわりに:乳腺炎予防のためにセルフケアをしっかりやろう

乳腺炎になる要因は、食生活や下着、ストレスなど身近なところにあるものも多いので、普段から気をつけることで乳腺炎になるリスクを軽減することができます。もし乳腺炎になってしまった場合でも、適切な治療を受ければ、また通常通りに授乳を行えるようになるので、気になることがある時はすぐに医師に相談するようにしましょう。

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