腰痛治療のトリガーポイント注射の効果とブロック注射との違いとは

2018/5/12

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

トリガーポイント注射とは、肩や背中、腰などのトリガーポイント(圧痛点:押すと強く痛む部分)に局所麻酔剤を注射する治療法です。慢性的な腰痛を患っている場合などに効果があるとされています。
ここでは、トリガーポイント注射の効果や神経ブロックとの違い、腰痛への効果について解説していきます。

腰痛解消に効く、トリガーポイント注射の効果って?

重い腰痛や坐骨神経痛を改善する治療法の一つとして、トリガーポイント注射(正式名は「トリガーポイントブロック」という)と呼ばれるものがあります。トリガーポイント注射とは、トリガーポイントと呼ばれる腰や肩などに強く痛みを感じるポイントに、直接局所麻酔注射をすることで痛みを取く治療法のことです。筋肉の反復性の運動・ストレス(使いすぎ)により、筋肉内に硬いしこりのような場合(緊張帯)などさまざまな種類のトリガーポイントに対応しています。

トリガーポイント注射には、主に次の4つの効果があるといわれています。

  • 筋肉の硬直をゆるめる
  • 発生した発痛物質を洗い流す
  • 交感神経(※)の働きを抑え、血流を促す
  • 知覚神経から脳に伝わる痛みの電気信号を遮断する

※交感神経は、自律神経の一種で、心身を緊張させる神経のこと

トリガーポイント注射は、痛みの悪循環に働きかけることで自然治癒力を発揮させ、痛みを根治に導くきっかけをつくる治療法です。
トリガーポイント注射に用いる注射針は約0.3mmと極めて細いので、注射をする際に痛みはあまりありません。用いる麻酔薬も一つのトリガーポイントに打つ量が1〜5mlと少量なので安全性が高く、妊婦や高齢者でも安心して使え、またくり返し投与しても問題ないと考えられています。

トリガーポイント注射は何回受ければいいの?

トリガーポイント注射療法は、直接疾病原因を治療するものではありませんが、繰り返し注射することで痛みを除去できる可能性があります。
1回目の注射で痛みの改善がみられた場合は、その後は1週間に1回のペースでトリガーポイント注射を行いきます。何回か注射するうちに徐々に痛みが治まってくるケースも多いといわれています。

トリガーポイント注射と神経ブロック注射の違いは?

トリガーポイント注射と神経ブロック注射には、下記のような違いがあります。

神経ブロック注射

末梢神経に薬剤を使用して、一時的に神経機能を停止させる治療法です。鎮痛効果、血行改善、筋弛緩効果などが期待でき、痛みの悪循環の改善に役立つと考えられています。また、神経ブロック注射は病変部位に限局して治療できる点も特徴です。その他、痛みを起こしている神経を一時的に遮断することで、その神経が痛みの発生に関与しているかどうかを判定する診断的ブロックとしての役割もあります。

トリガーポイント注射

トリガーポイント(痛みを強く感じる部分)に局所麻酔薬を注射針で注入して痛みを取り除く治療法です。局所麻酔剤で神経の痛みの伝達を遮断することで、一時的に神経を休める効果があるといわれています。局所麻酔剤の効果持続時間は約1~2時間程度ですが、神経を一時的に休ませることにより「痛みの悪循環」と呼ばれる痛みを慢性化させる仕組みを断つことができると考えられています。早く痛みを取りたい方や鎮痛剤、理学療法が効かない方に有効的とされる治療法です。

おわりに:痛みを軽減する方法の一つとして取り入れる

トリガーポイント注射療法は、疾病原因を直接治療するものではありませんが、繰り返し注射することで痛みを除去する効果が期待できます。また、注射針は0.3mm程度と細いので、痛みをあまり感じずに治療が行えます。肩凝りや腰痛で辛い思いをしている方はトリガーポイント注射を検討してみてはいかがでしょうか。

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