記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/14 記事改定日: 2019/2/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
性器ヘルペスとは、性的な接触を通してウイルスに感染し、性器やお尻の周辺に水ぶくれができる病気です。全体的に男性より女性の患者数が多く、女性がかかりやすい病気となっています。また、感染している人のうち約60%は自覚症状がないとされ、患者本人が病気に気がつかないまま、性行為を通して感染することが多いです。ここでは、性器ヘルペスの原因や男女別の症状について解説します。
陰部にできるヘルペスの症状は、男性と女性で異なります。
性器ヘルペスの主な原因となるのが、「単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)」と呼ばれるウイルスで、主に性器や腰回りで病状を発症させます。このHSV-2は、直接的な接触がない限り、感染しないとされていますが、性器を触った手から感染する場合があるため、タオルの共同使用などは避けましょう。
また、オーラルセックスにより、主に口唇ヘルペスの原因であった単純ヘルペスウイルス1型から、性器ヘルペスが発症するケースもあります。
初感染の場合は、主に性行為でうつるとされており、パートナーの性器にできていたヘルペス(単純ヘルペスウイルス2型が多い)が主な原因となりますが、他にも以下の感染経路があります。
症状が出ている時期はウイルスを大量に排出している状態です。そのため、ヘルペスウイルスに免疫がない人や、免疫があっても抵抗力が落ちている人に、感染させてしまう可能性があります。
また自分が患部に触れた後に、他の部位をさわることで、さわった部位に感染することもあります。
症状が出ていないときにも、性器の皮膚や粘膜からウイルスは出てきているので、この時期にパートナーと性交渉を持つことで感染させてしまうことも多いとされています。海外の論文によると、 パートナーへの性器ヘルペス感染の約7割は、感染源となった方に症状の自覚がないときに起こっていることが明らかになっています。
市販の治療薬でも陰部のヘルペスの症状改善を期待することは可能です。しかし、使用を数日続けても症状が改善しなかったり、悪化する場合は陰部ヘルペスでなく他の感染症の可能性も考えられます。
このような場合は自己判断で漫然と市販薬の使用を続けず、病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
性器ヘルペスの予防方法は、感染している相手との性的接触を避ける以外に方法はありません。ただし、症状が表立って出ていないままウイルスを排出している場合も多いので注意が必要です。また、パートナーがヘルペスウイルスを保有している場合は、ヘルペス治療薬で症状が治まるまでは性行為を控えましょう。