記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2018/5/22 記事改定日: 2019/9/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
口唇ヘルペスを発症した人のなかには、「オロナイン®H軟膏」を使用して治せないかと思う人もいるかもしれません。しかしそもそもオロナイン®は、ヘルペスに対して有効なのでしょうか。オロナイン®の成分や、ヘルペスに有効な外用薬について解説します。
オロナイン®を塗っても、口唇ヘルペスの症状が改善されることはありません。
口唇ヘルペスとは、「単純ヘルペスウイルス」に感染することによって発症する病気なので、症状を改善するためには、「抗ヘルペスウイルス薬」を使う必要があります。オロナイン®には単純ヘルペスウイルスに対して有効な成分は配合されていないため、口唇ヘルペスができている部分に塗ってもこれといった効果は期待できないのです。
オロナイン®は、真菌や細菌に対して一定の効果があるとされ、水虫やたむしに有効的と考えられています。しかし、真菌などに対して効果を発揮するということは、それだけ肌に刺激を与える可能性があるともいえます。
そのため、口唇ヘルペスができている部分にオロナイン®を塗ると、患部を必要以上に刺激し、症状を悪化させる恐れがあります。皮膚疾患にはその症状や原因に即した治療が必要になりますので、むやみにオロナイン®を塗るのは控えましょう。
そのほか、マキロン®やメンソレータム®、クロマイ®-N軟膏、コーフル軟膏、オキシドールといったものも、ヘルペスの治療には効果がありません。なお、リップクリームは口唇へルペスの水疱を治す効果はありませんが、水疱がかさぶたになった後のアフターケアには役立ちます。
ヘルペスを治すことができる市販薬として、以下のようなものがあります。
ヘルペス治療薬として、一番有名で安価な市販薬です。アシクロビル配合で軟膏を患部に被せる様に塗布しますが白残りするので、外出や就寝時の利用には不向きです。
アクチビア軟膏と同成分の類似品ですが、流通量が少ない傾向にあります。価格もアクチビア軟膏よりもやや割高です。
アシクロビル配合のヘルペス市販薬で唯一のクリームタイプです。伸びが良く、軟膏タイプよりも目立たないので、外出・就寝時の利用にも使えます。
ただし、口唇ヘルペスの市販薬を購入できるのは、過去に口唇ヘルペスを発症したことがある人だけです。初めて発症した方は購入できませんので、病院で診察を受けたあと、適切な処方薬を入手してください。
ビダラビン配合でアシクロビル配合よりも少ない塗布回数で高い効果を発揮し、同社医療用の「アラセナ-A軟膏3%」「アラセナ-Aクリーム3%」と同じ成分を配合しています。