記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/16 記事改定日: 2019/2/18
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口唇ヘルペスになったことがある人は、完治したと思っていても再発することが極めて多いとされていますが、それはいったいなぜでしょうか?「完治したのなら、ウイルスは体から消えたのでは?」「再発するのはなぜ?」といった疑問を中心にお答えしていきます。
口唇ヘルペスのウイルスは、一度感染すると三叉神経節という神経の中に入り込み、増殖することで発症します。このウイルスは、症状が治まった後もずっと三叉神経節の中に身を潜めているため、何度でも再発する可能性があります。
ヘルペスの一種に性器ヘルペスがあります。性器ヘルペスは感染していても、自覚症状があまりないために気づかない場合も多いです。
性器ヘルペスの主な原因は、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)と呼ばれるウイルスで、主に性器や腰回りで病状を発症させます。2型ウイルスは、直接的な接触で感染するとされていますが、性器に触れた手からでも感染する恐れがあり、タオルを共同で使用することにより感染する可能性もあります。また、オーラルセックスにより、主に口唇ヘルペスの原因であった単純ヘルペスウイルス1型から、性器ヘルペスを発症することもあります。
ヘルペスは接触することで感染するので、身近にいる家族や恋人などが感染源になることが多いです。直接触れた部分はもちろん、他の部位でも発症します。
また、口唇ヘルペスの場合は、他人の体液に触れることでも感染するので、キスはもちろん、間接キスでも感染する可能性があります。オーラルセックスもヘルペス感染の原因となりますので、注意してください。
自分が口唇ヘルペスにかかってしまったときは、その部分に触れないように注意しましょう。特に、口唇ヘルペスは舌でなめるとウイルスが舌に移り、口の中に移動するので注意が必要です。
また、自分の他の部位にあるヘルペスに触った後に唇を触ることも、口唇ヘルペスの原因になります。特に唇が傷ついているときは要注意です。
ヘルペスの発症には免疫力が大きく影響します。体調不良や栄養不足、ストレス、睡眠不足などで免疫力が低下していると、ヘルペスが発症しやすくなってしまうのです。
身体の免疫力が高い場合や、既に単純ヘルペスウイルス1型に対する抗体を持っている場合は、2型に対しても感染しにくいため、性器ヘルペスを発症しても軽症で済む可能性があります。このため、感染していても知らぬ間に性行為でパートナーに移していたりということもありえます。
ヘルペスウイルスは接触感染や経口感染を引き起こすため、タオルや寝具の共有、皮膚同士の接触などでうつることがあります。しかし、こまめな手洗いや手指消毒などを行えば感染を予防することができます。また、水疱などの症状が出ている間は便とともにウイルスが排出されることがあるため、便座の消毒やドアノブや水洗レバーなどの消毒を行うのも有用です。
一方、タオルや寝具などにはウイルスが付着していることもありますが、洗濯は他のものと分ける必要はなく通常の洗浄を行えばウイルスは排除されますので、あまり神経質になる必要はありません。
お伝えしてきたように、口唇ヘルペスは一度かかると何度でも繰り返すので、再発させないための予防が大切になります。基本的に口唇ヘルペスの再発というのは、身体の免疫機能が低下した場合や、調子が悪くなったときに起こるので、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけるようにしましょう。また、他の人へ感染させないための配慮にも気をつけましょう。