記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
子供が感染すると激しい下痢を引き起こすロタウイルスですが、下痢の症状だけでその原因がロタウイルスへの感染によるものかどうかを判別するのは難しいです。ロタウイルスの検査方法にはどんなものがあるのか、検査費用に保険は適用されるのかなどを解説します。
ロタウイルスは、通常は5歳までにほとんどの子供が感染するウイルスです。 胃腸炎を引き起こすウイルスのため、激しい嘔吐や、40度近いほどの高熱、そして激しい下痢といった症状を伴います。一般的には、2度目以降の感染の際にはほとんど症状がみられませんが、抵抗力や免疫力が低下している高齢者などの場合にはひどい症状がみられることもあります。
ロタウイルスの主な検査方法は迅速診断検査(イムノクロマト法)であり、この検査は医師が医学的に必要と認めた場合には健康保険が適用されます。
ロタウイルスの診断は、患者の症状や家族など周囲の感染状況などを総合的に判断して、ロタウイルスと推定することが多く、症状だけでロタウイルスの確定診断はできません。
最も多く用いられているロタウイルス胃腸炎の診断法に、迅速診断検査(イムノクロマト法)があります。便を用いて行う検査で、15~20分程度で結果が判明します。
ロタウイルスの検査で陰性であっても「ロタウイルスに感染していない」と断定することはできません。なるべく安静にするように努め、万が一に備えて洗濯物は別に分け消毒を徹底するなど、周囲に感染を広げないように注意しましょう。
また、感染症が発症したら、脱水にならないように水分補給をしっかりと行うことが必要です。嘔吐症状が強くて十分に水分がとれない場合には、点滴が必要になることもあります。また強い下痢止めはウイスルの体外への排泄を遅延させてしまうため、使用しないようにしましょう。
ロタウイルスは、検査のタイミングなどによっては感染していても陽性反応が出ない場合がありますので、検査結果は100%ではありません。また、検査によってロタウイルスであることがわかった場合には、家族や他の人などに感染させないようにすることが大切です。赤ちゃんのおむつを交換する際には使い捨てタイプの手袋をし、嘔吐や下痢などで服や寝具が汚れた場合には、85℃以上の熱湯に1分以上浸けて消毒をしましょう。