頭痛の場所別に原因を解説! 〜 前頭部・こめかみ・頭のてっぺんの場合 〜

2018/5/16

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

一言で頭痛といっても、痛みを感じる部位には個人差があります。今回の記事では、前頭部やこめかみ、頭のてっぺんで起きた頭痛の原因について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

頭痛の場所が「前頭部」の場合

頭痛の場所が前頭部の場合、考えられる原因としては以下が挙げられます。

片頭痛

ズキズキと脈打つような強い痛みが、頭の片側か両側で数時間持続します。吐き気を伴うことが多く、前兆として目の前にフラッシュのような光が見える閃輝暗点が起こることがあります。
片頭痛は、疲労やストレスの蓄積、寝不足、アルコールの過剰摂取などによる脳血管の拡張が原因で起こると考えられています。

群発頭痛

前頭部から片方の目にかけて、えぐられるような激痛が生じるのが特徴です。特に夜中に頭痛が起きる傾向があります。1時間程度の激しい痛みが持続するというのを毎日繰り返し、しばらくすると頭痛が起きなくなりますが、数ヶ月経つと再び頭痛の発作が起きるようになります。
珍しいタイプの頭痛で、男性の発症率が高いです。明確な原因はわかっていませんが、ストレスや過労、喫煙や飲酒、特定の食べ物の摂取などがきっかけで引き起こされると考えられています。

副鼻腔炎(蓄膿症)

風邪をひいたあと、副鼻腔(頰の部分にある上顎洞や額の部分にある前頭洞など)に膿が溜まる副鼻腔炎の状態になると、前頭部の頭痛が引き起こされることがあります。前かがみやうつむいたときに、特に頭痛を感じるのが特徴です。

緑内障

緑内障によって眼球内の圧力が上がり、視神経が障害されると、前頭部が痛むようになることがあります。ただし緑内障の場合は、目の奥の痛みや視力低下、吐き気などを伴うのが特徴なので、併発する症状にも注目しましょう。

頭痛の場所が「こめかみ」の場合

こめかみに頭痛を感じている場合は、先述の「片頭痛」か「緊張型頭痛」が考えられます。緊張型頭痛は、長時間のPC作業や疲労の蓄積からくる肩や首の凝りが原因で引き起こされるものです。

片頭痛の場合は、こめかみの片側だけが痛むことが多いですが、両側のこめかみに締め付けられるような鈍痛が出ている場合は、緊張型頭痛の可能性が高いです。

頭痛の場所が「頭のてっぺん」の場合

頭のてっぺんで頭痛が起きている場合、先述の「緊張型頭痛」や「副鼻腔炎」の可能性があります。またそのほかにも、以下の原因で頭頂部に頭痛を感じることがあります。

高血圧

高血圧によって頭部の血圧が上昇すると、血管が拡張して頭頂部の頭痛が引き起こされることがあります。

脳腫瘍

特に起床時に、頭頂部に激しい頭痛を感じた場合は、脳腫瘍の可能性があるので要注意です。頭蓋骨の中に腫瘍ができたことによって、頭痛だけでなく吐き気や嘔吐、意識障害、手足のしびれ、ろれつが回らないといった症状も見られるようになります。

おわりに:頭痛の場所と併発する症状に注意しよう

頭痛が生じた場所によって、考えられる原因は異なります。頭のどの部分が痛いのか、併発する症状はなかったかなどにも注目して、診察の際に医師に伝えることが大切です。

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