頭痛は「冷やす」と「温める」、どっちが効果的?

2018/5/15

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「頭痛が起きたら、患部を冷やすといい」という話もあれば、逆に「体を温めると頭痛が治る」という話もありますよね。本当はどっちが正しいのでしょうか?二日酔いの頭痛や生理の頭痛のケースに関しても、併せて解説していきます。

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頭痛は「冷やす」?「温める」?

頭痛の種類によって、冷やす方が痛みが緩和されるのか、それとも温める方がいいのかは異なります。

片頭痛の場合

頭の片側(あるいは両側)が、ズキズキと脈打つように痛み、吐き気を伴うのであれば、片頭痛の可能性が高いです。片頭痛は体を動かしたときに悪化する傾向にあり、3日程度持続する頭痛を、月に何度か繰り返すというのが特徴です。

片頭痛は、疲労や睡眠不足、女性ホルモンの変化などによって、脳血管が拡張したことが原因で起こるとされているので、冷やして血管の拡張を抑えるのが有効と考えられています。痛む部分に、冷たいタオルなどを当てましょう。
なお、片頭痛に対して、入浴などで頭を温めてしまうとますます血管が拡張し、頭痛が悪化するので控えてください。

緊張型頭痛の場合

後頭部から首筋にかけて、頭全体が締め付けられるように痛む場合は、緊張型頭痛の可能性が高いです。片頭痛とは異なり吐き気は伴いませんが、眼精疲労と併発しやすい傾向にあります。

緊張型頭痛は、ストレスの蓄積や、長時間のPC業務などで同じ姿勢をとり続けたことなどによる、筋肉の血行不良や緊張が原因で引き起こされるものです。このため、緊張型頭痛であれば、入浴などで体を温め、血流をよくすることで痛みが緩和しやすくなります。

どの場所を温めればいい?

緊張型頭痛は、首や肩の筋肉の凝りや血行不良が原因のため、首や肩、後頭部などに蒸しタオルを置くのが有効です。

二日酔いの頭痛は「冷やす」が有効

二日酔いによる頭痛は片頭痛と同様、血管の拡張が原因なので、冷やして血管を収縮させるのが効果的です。
また、二日酔いの頭痛に対しては、水分補給をして体内のアルコール濃度を薄めることも大切です。特にコーヒーなどのカフェインは血管を収縮させ、利尿作用もあるため、二日酔いの頭痛の緩和に効果的と言われています。

生理の頭痛は「冷やす」?「温める」?

女性は生理(医学的には月経というのが一般的です)前、「PMS(月経前症候群)」によって頭痛が起きることがありますが、PMSの頭痛は、片頭痛の場合(生理中のホルモンバランスの変化により、脳血管が拡張したことで起こる)もあれば、緊張型頭痛の場合(経血が子宮に集まることで、脳への酸素が不足することで起こる)もあります。このため、頭痛のタイプを見極めて冷やすか温めるかを見極めることが大切です。

おわりに:「冷やす」か「温める」かは、頭痛のタイプによって違う!

頭痛は大きく「片頭痛」と「緊張型頭痛」に分けられ、それぞれで冷やした方がいいのか、それとも温めた方がいいのかは異なります。頭痛の原因や痛み方などから、どちらのタイプの頭痛なのか把握した上で、対処することが重要です。

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