記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足のふるえや筋肉のこわばり、動作に時間がかかるようになるなど、パーキンソン病を疑うような症状が見られたら、できるだけ早く医師の診断を受けることが望ましいです。
今回はパーキンソン病の検査・診断について、受診すべき診療科目や検査・診断の具体的な手順など、わかりやすくご説明していきます。
パーキンソン病が疑われる場合、診断のための検査は神経内科で受けることができます。
神経内科は、脳神経系の疾患を中心に、脊髄、神経、筋肉など全身の疾患をみていく診療科です。
考える・感じることが困難になる病気や、パーキンソン病のようにうまく身体を動かすことができなくなる病気の検査・治療を担当する診療科目と覚えておきましょう。
パーキンソン病の検査は神経内科を受診すべきであるとわかったところで、ここからは、実際のパーキンソン病の検査・診断手順について、具体的にご紹介していきます。
以下に、一般的なパーキンソン病の検査・診断の手順に沿って「問診」「診察」「脳の画像検査」「診断・治療」の内容を解説していきますので、参考にしてくださいね。
パーキンソン病で受診すると、まず担当医師から患者と家族に対し、以下のような質問を行われるでしょう。
問診が終わったら、手・指・足の振動、筋肉のこわばり、身体の動きにくさ、姿勢を変えることによる転びやすさなどの有無と程度について、医師が患者に触れながら症状の程度を確認します。
脳腫瘍、多発性脳梗塞、水頭症など、パーキンソン病と似た症状が出る脳の病気にかかっていないかどうか、CTやMRIなどで脳の画像を撮影して確認します。
検査の結果、パーキンソン病が疑われる症状が複数出ていて、かつパーキンソン病以外の病気の可能性が極めて少ないと判断された場合は、パーキンソン病の診断が下されます。
病気の進行状態にもよりますが、診断後はまず「L-ドーパ」や「ドーパミンアゴニスト」などのパーキンソン病に効果的な薬を処方し、経過観察と治療を進めていくことが多いです。
前項で紹介したパーキンソン病の検査・診断手順のうち、CTやMRIを使った脳の画像検査の段階で、心臓の交感神経の状態を確認する検査が行われる場合もあります。
パーキンソン病の検査で行われる心臓検査は「MIBG心筋シンチグラフィー」です。これは心臓を撮影して交感神経の様子を確認する、画像検査の一種になります。
検査では、患者にMIBG(メタヨードベンジルグアニジン)やノルエピネフリンなどの検査薬を服用してもらい、これらの薬品が心臓に集まる程度を観察していきます。
通常、検査薬は時間が経つと心臓に集まってきますが、パーキンソン病患者の場合は、心臓に集まらないという特性が出ることが知られています。
MIBG心筋シンチグラフィーはこの特性を利用した画像検査の方法で、この結果は他の脳の画像などとあわせて、パーキンソン病診断の参考とされます。
パーキンソン病が疑われる症状が出てきた場合は、神経内科のある病院・クリニックを受診すれば検査・診断をしてもらえます。検査内容としては問診、症状の確認、脳・心臓の画像検査を行うのが一般的です。検査を受けて病気がはっきりすれば、早期に適切な治療をすすめていくことができますので、気になる症状が出てきた段階で、できるだけ早く近隣の神経内科を受診するようにしましょう。