記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
身体のふるえや筋肉のこわばり、これに伴う運動障害などの症状が出るパーキンソン病は、治すことができる病気なのでしょうか?
今回は、パーキンソン病の完治の可能性と一般的な治療方法、そして先端の治療方法について、ご説明していきます。
パーキンソン病は手足のふるえ、筋肉の固縮などにより、身体をうまく動かせない、転びやすくなるなどの症状が出る病気です。
患者の発症年齢は50歳以上65歳くらいまでが最も多いと言われていますが、年齢を重ねれば重ねるほど、発症しやすくなるともいわれています。
自覚症状が身体の片側から現れ始めるのが特徴で、その後ゆっくりと進行していくと症状が身体の反対側にも及び、やがては全身の運動障害を伴うようになります。
2018年現在において、パーキンソン病の原因は未だはっきりとは解明されていません。
このためパーキンソン病の治療は、患者ごとの症状の程度にあわせた投薬・服薬によって、病気の進行を遅らせたり、症状を和らげたりする対象療法が中心になります。パーキンソン病は、根本治療で完治させる方法が見つかっていない、現時点では治すことのできない病気であると言えるでしょう。
近年のパーキンソン病の主な治療方法は、運動障害の原因と考えられる脳神経細胞とドーパミンの減少を、薬の服用によって補うというものです。
しかし、京都大学の研究チームにより、iPS細胞(人口多能性幹細胞)を使った、新しいパーキンソン病治療法の実験が始まろうとしています。
これは、あらかじめ健康な人からiPS細胞を採取し、パーキンソン病患者に減少が見られる脳神経細胞へと培養してから、患者の脳内に注射で注入して補うというものです。
脳に穴を空ける外科手術が必要なこと、サルで行われた実験では結果に個体差が見られたことから、この治療法についてリスクや課題を指摘する声もあります。
まだまだ研究段階ではありますが、今後が期待される治療法と言えるでしょう。
パーキンソン病は、はっきりとした原因がわかっていないために、治療は服薬での対症療法が限界であり、完治することはできないと言われています。しかし近年では、健康な人のiPS細胞から脳神経細胞を作り出し、それを患者に補うことで、パーキンソン病の根本治療を研究がすすめられています。今は不治の病ですが、将来的にはパーキンソン病を完治できるようになる日が来るかもしれません。