記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
不眠症の治療というと、睡眠導入剤での治療を思い浮かべる方が多いです。しかし不眠症の患者の多くは眠れないことへの不安を抱えており、また生活状態も乱れがちなことから、心理面や生活面での治療アプローチが有効とされています。今回の記事では、そんな薬以外での不眠症の治療法をご紹介していきます。
睡眠衛生教育とは、良質な睡眠につながる生活習慣についての知識を、患者が身につけていくための指導です。生活の中での不眠の原因を把握・改善し、生活リズムを整えながら、睡眠環境を改善させていきます。
不眠症を解消するために、知っておきたい生活面でのポイントは以下の通りです。
不眠症患者への心理療法としては、「睡眠日誌をつける」方法がよく実践されます。これは自身の睡眠状態を記録し、客観的に睡眠状態を把握することで、不眠に対する過剰な不安感を軽減させていく治療法です。
不眠症患者は、きちんと眠れている日があったとしても、眠れない日が続くと「今月は一度も熟眠できなかった」などと事実を歪めて記憶してしまう傾向があります。そこで睡眠日誌をつけることで、客観的な睡眠の状態を把握できると、過剰な思い込みに気づくことができるようになります。
認知行動療法とは、物事への考え方の癖を自分で把握し、修正していく治療法です。不眠症患者は睡眠に関しての認知が歪んでいるケース(全然眠れていない、必ず○時間眠らないといけないといった思い込み)が多いため、この認知行動療法によって、認知を少しずつ現実に近づけていきます。
実際、「○時間眠らないといけない」といった思い込みを払拭することで、不眠症が徐々に改善していく患者さんも少なくありません。
不眠症の患者は、眠れないことによる不安から筋肉が緊張し、さらに眠れないという悪循環に陥りがちです。そこで、筋肉の緊張と弛緩を繰り返す動作をするリラクゼーション法を実践することで、心身をリラックスさせ、自律神経を整えて眠りやすくします。
不眠症を改善するには睡眠導入剤の服用も有効ですが、睡眠衛生教育や認知行動療法によって不眠の原因にアプローチすることが、根本的な解決に役立つ可能性があります。不眠症でお悩みの方は、一度専門の医療機関で相談されてみてはいかがでしょうか。