成人と子供の注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴をチェックしよう

2018/5/25 記事改定日: 2018/7/17
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」は、比較的よく知られている発達障害の一種ですが、具体的にはどんな症状が出るのでしょうか?その特徴と対応の違いについて、子供と大人の場合で分けてご紹介します。チェックの目安としてお役立てください。

ADHDの特徴をチェック:子供の場合

ADHD傾向のある子供の主な特徴を抜粋します(参考程度にとらえてください)。

衝動性

  • 最後まで話を聞かずに行動してしまう
  • 自分に関係のない会話でも割り込んでしまう
  • ルールを理解しているのに、ついルールから外れたことをやってしまう
  • 授業中でも気になるものがあると立ち歩いてしまう

多動性

  • 身体のどこかを動かしたり、机を叩くなど音を出したりしている
  • じっと座っていることが苦手
  • 特に理由はなく、周りの子を叩いたり、抱きついたりしてしまう
  • ちょっとしたことで激しく怒ることがある
  • ぼんやりしたり、話し続けたりして、食事や着替えが進まない

不注意

  • 忘れ物が多い
  • 提出物の締め切りが守れない
  • 机やロッカーの整理が苦手
  • 話を聞いている場面で、上の空になっている
  • ケガが多い
  • 飽きっぽい反面、ひとつのことに集中しすぎて切り替えができないこともある

ADHDの特徴をチェック:大人の場合

ADHD傾向のある大人の特徴を、いくつか抜粋します(参考程度にとらえてください)。大人の場合は、特に仕事上でトラブルに繋がっていることがあります。

衝動性

  • 人が話しているときにも、発言をしてしまう
  • 思ったことを、つい口に出してしまう
  • 行動したり、発言したりした後に後悔する

多動性

  • 貧乏ゆすりなど、身体のどこかを動かしている
  • ダラダラと思いついたことを話し、まとまりがない
  • 誰かと話していても、別のことを考えていることがある

不注意

  • 複数のことがらの優先順位がつけられない
  • 同じことを長く続けられず、ミスが増える
  • よく物を壊したり、失くしたりしてしまう
  • メモをしていても、報告や連絡、相談を忘れる
  • 約束を忘れる
  • やるべき仕事を先延ばしにしてしまい、納期に遅れる

大人のADHDと子供のADHDの対応の仕方の違い

ADHDの3つの特徴は、大人でも子どもでも同様に生じます。しかし、大人と子どもでは置かれる立場や責任、生活の集団が異なるため症状の現れ方に違いが見られます。
このため、周囲の人の対応の仕方も大人と子どもによって異なるので注意しましょう。

大人の場合

大人は家庭や会社などの社会生活の場で自分の判断で行動するようになり、責任ある立場になります。このため、ADHDの諸症状に周囲の人が振り回されたり、逆に周囲との軋轢が生じて患者が孤立することも少なくありません。
大人のADHDには、金銭管理や責任ある重要な仕事などは周囲がサポートして行うように環境と整えるとよいでしょう。
また、多動性の著しい人では長時間の会議など落ち着きを必要とする場は避けるなどの対策も必要です。

子供の場合

子供のADHDは主に学校生活で困難な場面に遭遇することが多くなります。親や教師は、不注意による忘れ物などに注意してサポートするようにしましょう。また、落ち着きのなさは病気の症状のため、頭ごなしに叱るのではなく、その場に適した行動を指導するような気持で接するようにしましょう。

ADHDのチェックを受けられる病院は?

これまでご紹介したのは、あくまでも一部の例になります。チェックに当てはまる数が多かった、あるいは少なかったからといって、ADHDであるかどうかを判断できるものではありません。

ADHDかどうかを確認したいという人は専門の医療機関を受診することが必要です。子供の場合は、児童精神科などの専門の診療科で各種検査や診断、治療を受けることができます。また、地域の保険センターや子育て支援センター、かかりつけの小児科医に相談することで、専門窓口を紹介してもらうこともできるでしょう。

大人の場合は、精神科や心療内科などで、発達障害を対象としているところを受診してください。また、子供でも大人でも、各都道府県に設置されている発達障害者支援センターにも問い合わせてみても良いでしょう。

学校や仕事を続けるための相談機関や支援機関はある?

ADHDの患者が学校や仕事を続けるには、本人だけでなく周囲の人も多くの努力を要することが少なくありません。
社会生活を送るために、精神保健福祉センターや児童相談所、職業訓練所などでADHDの人を対象とした相談や支援を行っていることがあります。詳しくはお住いの自治体やかかりつけの医療機関に問合わせ、自身やご家族に適した支援を利用するようにしましょう。

おわりに:セルフチェックだけでADHDと判断はできない。専門機関や医療機関に相談を

ADHDの特徴は多様であり、ここで挙げたチェック項目だけで判断されるものでは決してありません。診断は、医学的な検査や心理検査、これまでの発達の様子など、さまざまな情報をもとにして行うものです。そのためADHDかどうかをはっきりさせたいというときには専門機関を受診することが必要です。地域の医療機関や相談機関を調べておくだけでも、安心に繋がるのではないでしょうか。

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