記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/29 記事改定日: 2019/6/24
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
ダイエット食の一つとしても知られる「糖質制限」ですが、「糖質制限しても痩せない…」という声もちらほら聞くことがあります。では、糖質制限をしても痩せない原因としては、何が考えられるでしょうか?詳しく解説していきます。
糖質制限をしているのに痩せない原因として、考えられるものをご紹介します。
「糖質制限=白米やパン、麺などの主食を抜く」というイメージを持っている方も少なくないですが、こうした主食以外にも糖質を多く含んでいる食材があります。具体的には、ジャガイモやサツマイモなどの芋類、とうもろこしなど穀物系の野菜です。
また、このほかにも要注意なのがフルーツトマトやかぼちゃなどの糖度の高い野菜や、ハム・ソーセージ、かまぼこなどの加工食品、くずきりや春雨です。加工食品には加工過程で砂糖やでんぷん(芋類や米、麦からできている)が含まれている可能性があり、くずきりや春雨もでんぷんから作られているものです。こうした食べ物を食べ過ぎているせいで、糖質制限をしているつもりでも痩せない可能性があります。
低糖質な食べ物を選んでいても、調味料の影響で痩せないケースもあります。例えば、くず粉や片栗粉は、ジャガイモのでんぷんから作られています。また焼肉のたれやソース、砂糖・みりんの入った調味料なども、糖分が多く含まれているので要注意です。
糖質制限中の飲酒が、痩せない原因の可能性もあります。ビールや日本酒などの赤ワイン以外の醸造酒には、基本的に糖質が多く含まれています。
糖質制限中に飲んでも問題ないのは蒸留酒、糖質ゼロ系のお酒です。ただし、蒸留酒は糖類の入った飲み物で割らないよう注意してください。
糖質制限食を実践しても、常に「消費カロリー>摂取カロリー」の状態を続けていないと、痩せるのは難しいです。食事を減らした分運動量を減らすことで、空腹を防止する方もいますが、それでは筋肉が落ちてカロリー消費がしにくい体になってしまいます。
糖質制限食と並行して、有酸素運動と筋トレを日常的に実施しましょう。
糖質制限がきっかけで、便秘を発症する人は実は少なくありません。糖質制限中は、水分と食物繊維が多く含まれる麺類や米類をほとんど摂取しないために、便が硬くなり、排出されにくくなります。
また、糖質制限中は肉類の摂取量が多くなりがちですが、肉類は腸内に住む悪玉菌の格好のエサなので、腸内環境が悪化し便秘を引き起こしやすくなるのです。
糖質制限中は便秘になりやすくなります。その原因は上で述べた通りですが、しっかり対策を行って便秘の予防・改善をしていきましょう。
おススメの対策法には次のようなものが挙げられます。
よって、糖質制限中は食事のバランスに気をつけ、ヨーグルトを摂取して善玉菌を増やすようにしましょう。また、納豆、きのこ、豆類などの食物繊維を摂取し、水分も多めの摂取を心がけることも大切です(女性の場合は水かノンカフェインのお茶を1日2L、男性は3Lが目安です)。さらに、運動習慣をつけて腸の蠕動運動を活発化させるようにしましょう。
糖質制限中は米や麦、麺類を抜くことに注力しがちですが、野菜や調味料も、種類によっては糖質が多く含まれています。また、炭水化物を過剰に抜くことは便秘にもつながるので、栄養のバランスや運動量に注意しながら、健康的なダイエットを心がけましょう。