脳卒中はなぜ発症する?―脳卒中の原因を知ろう

2017/3/23

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

脳卒中は、脳内の血管が詰まったり破れたりすることで起きる症状です。脳卒中には「虚血性脳卒中」と「出血性脳卒中」の2種類がありますが、これらは脳に与える影響も、原因も異なります。

虚血性脳卒中とは

虚血性脳卒中は、最も一般的な脳卒中です。この脳卒中は、血栓が血液や脳への酸素の流れを止めたときに起こります。血栓は、動脈の内壁に脂肪が沈着すると血管が徐々に狭くなって流れが悪くなったり、血管が一時的にふさがってしまったりすると作られます。この血栓ができるまでのプロセスは、アテローム性動脈硬化症と呼ばれています。

年齢を重ねるにつれて、動脈の内部が少しずつ狭くなることがあります。ただ、以下のようなリスクがあると、動脈を狭める可能性が高くなります。

・喫煙
・高血圧
・肥満
・高コレステロール
・糖尿病
・過度のアルコール摂取

虚血性脳卒中を引き起こすそのほかの要因として、「心房細動」と呼ばれる症状があります。心房細動が起きると心臓の鼓動が不規則になります。心房細動が起きると心房の中に血栓ができやすくなり、その血栓が心臓から出て脳の血管に到達してとどまってしまうと脳卒中を発症するのです。

出血性脳卒中とは

出血性脳卒中(脳出血または頭蓋内出血としても知られる)は、虚血性脳卒中ほど一般的ではありません。出血性脳卒中は頭蓋骨内の血管が破裂し、脳の中およびその周辺が出血してしまうために起こります。

出血性脳卒中の主な原因は高血圧です。高血圧によって脳内の動脈を弱らせ、血管の破裂や断裂が起こりやすくなるのです。

高血圧のリスクを高めるものとして、以下のようなものがあります。

・体重過多または肥満
・アルコールの過剰摂取
・喫煙
・運動不足
・血圧が一時的に上昇するストレス

出血性脳卒中は、脳動脈瘤(脳動脈の一部が膨らんだことにより、その部分の血管壁が弱くなったもの)や、ひどい状態に形成された血管の破裂の結果としても起こることがあります。

脳卒中のリスクを減らすために

以下に挙げる脳卒中のリスクを高めるいくつかの要因は先天的なもので変更できないため、脳卒中を完全に防ぐことはできません。

年齢

65歳以上の人は誰でも、脳卒中を起こすリスクが高くなります。ただ、脳卒中患者のうち、約4分の1は若い世代の人です。

家族歴

両親や祖父母、兄弟姉妹の誰かが発作を起こした場合、発症のリスクが高くなります。

人種的な要因

南アジア、アフリカ、カリブ海に住む人は糖尿病と高血圧の割合が高いため、脳卒中のリスクも高くなります。

病歴

以前に脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)または心臓発作を患ったことがある場合、脳卒中のリスクが高くなります。

ただし、上記のリスクを持つ人も、健康的な食生活を心がける、適度な運動をする、睡眠時間をしっかり取るなど、ライフスタイルを変えることで脳卒中のリスクを大幅に軽減することができます。

おわりに

脳卒中は血管の中に血栓が作られ、それが血管を詰まらせたり流れを滞らせたり、あるいは血管を破ったりすることで起きる病気です。発症すると後遺症が残る可能性があり、場合によっては日常生活に支障をきたすこともあるので、日ごろから健康的な生活を心がけるようにしましょう。また、動悸が不規則になることが多い場合、心房細動の兆候があります。心房細動は脳卒中のリスクの一つなので、このような症状が出ているときは医師の診察を受けてください。

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