記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/5
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
そもそもアレルギーは何故発症するのでしょうか?また、原因となる物質にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、アレルギーの種類や発症のメカニズムについて解説していきます。アレルギー症状に悩まされている人は、発症予防に役立ててください。
アレルギー発症の原因となるアレルゲン(抗原)は、体内へ侵入する方法によって「食物性アレルゲン」「吸入性アレルゲン」「接触性アレルゲン」に分けられます。
ただし、実際には小麦粉を吸い込んで喘息を起こす場合や(食物性アレルゲン+吸入性アレルゲン)、卵が皮膚に接触することで蕁麻疹を起こす(食物性アレルゲン+接触性アレルゲン)など、複数のアレルゲンが組み合わさることで発症するケースもあります。
食物アレルゲンによってアレルギー反応が起こるのは、主に分子量の大きいタンパク質が原因です。通常、タンパク質は消化酵素によりアミノ酸になるまで分解されてから吸収されるので、IgE抗体センサーが異物と認識することはありません。しかし、消化吸収の働きが不十分だったり、腸管に炎症が起こっていると、タンパク質が血管内に入り込んで食物アレルギーを起こすことがあります。
また、消化吸収能力が改善して症状が落ち着いたとしても、一度アレルギー反応を起こした体はそのことを記憶しているので、再度症状がぶり返さないように注意する必要があります。
3大アレルゲンと呼ばれる食品に
があります。
また、その他のアレルギーの原因となる食品として
などがあり、年齢によってアレルギーが発症しやすい食品が変わってきます。
食物アレルゲンのほかにも、以下のようなアレルゲンがあります。
鼻粘膜や気道を介して体内に入り込むアレルゲンです。
などがあります。
アレルゲンとなる物質が皮膚に接触することで、アレルギー反応が生じます。
原因となる物質として
などがあります。
アレルギーが起こりやすい人は、細菌やウイルスに反応するTh1細胞とアレルゲンに反応するTh2 細胞の免疫バランスが崩れることにより、アレルギー症状が出やすい体質を持つようになるといわれています。ただし、アレルギー体質の人が必ずアレルギーを発症するというわけではなく、体質の他にも、環境的要因や原因となるアレルゲンなどの要素が組み合わさり発症に至ります。
アレルギーの発症については、アレルギーコップという表現が使われることもあります。
これはいわゆる例え話であり、個人個人でアレルギー反応が起こりやすいアレルゲンや環境要因は異なり、許容量も違ってきますが、どんな人でもその人の持つ「アレルギーの許容量」が超えてしまうと、アレルギー反応が起こってしまうということを表現しているのです。
と考えたとしましょう。
コップの大きさがそれぞれ違っていても、コップがいっぱいになってしまったあとに水を注げば、水はあふれてしまいます。
これを人の体に置き換えると、アレルギーを持つ人がアレルゲンやアレルギーを引き起こしやすい環境に身をさらされ続ければ、発症のタイミングに差はあったとしても、いつかはアレルギー反応が起こってしまうことになるということです。
自分の中のアレルギーのコップがいっぱいにならないように、アレルギー体質の人は、アレルゲンの排除や、規則正しい生活習慣を心がけ、発症のリスクを軽減することが大切です。
アレルギーは、食物性・吸入性・接触性アレルゲンが複合的に合わさることで発症することが多いです。一度アレルギーを発症したら、その原因となる物質を避け、生活習慣を見直すことが大切になります。