アレルギーの症状とアレルゲンを知り、症状改善に役立てよう!

2017/6/26 記事改定日: 2018/4/5
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

アレルギー反応とは、特定の食べ物や物質に対して過剰に反応してしまい症状が現れてしまうことです。蕎麦や牛乳、卵など、アレルギーを持っている人にとっては、命に関わる事態に陥る危険もある深刻な悩みといえるでしょう。
この記事では、アレルギーの症状の種類や原因となるアレルゲンについて詳しく説明します。アレルギー症状を回避するための参考にしてください。

アレルギーの症状(咳・鼻水・腹痛など)について

アレルギー反応の症状は、アレルギーのあるものにさらされてから数分以内に発症しますが、ときには数時間かけて徐々に発症することもあります。
アレルギー反応はやっかいで、通常の活動を妨げることがありますが、軽度でおさまることが大半です。

主なアレルギー症状

アレルギー反応の一般的な症状には、次のようなものがあります。

・くしゃみ、かゆみ、鼻水、鼻づまり(アレルギー性鼻炎)
・目のかゆみ、赤い目、涙目(結膜炎)
・喘鳴、胸部圧迫感、息切れ、咳(気管支喘息)
・隆起した、かゆみを伴う、赤い発疹(蕁麻疹)
・唇、舌、目または顔の腫れ
・腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
・乾燥して赤く、ひび割れた肌
・頭痛

何にアレルギーがあるか、どうやって接触したかによって、症状は異なります。
例えば、花粉にさらされた場合は鼻水の症状が現れやすいですし。皮膚アレルギーがある人は、何かの接触の際にかぶれるなどの症状が現れます。また、アレルギーのあるものを食べることで症状が現れることもあるでしょう。

過去に何らかのアレルギー反応を起こしたと思われる場合は、病院で検査してアレルゲンを特定することをおすすめします。
検査は症状がアレルギーによるものか、または別の病気が原因なのかを判断することにも役立つので、症状を根本的に改善するには必要といえるでしょう。

アナフィラキシー症状 ― 重度のアレルギー反応

アレルギーがアナフィラキシーと呼ばれる重度のアレルギー反応を引き起こし、生命を脅かす恐れがあります。
これはアレルギー反応が全身に影響を及ぼすことによって起きる症状をさし、アレルゲン(アレルギーを引き起こす原因となる物質)にさらされてから数分以内に発症します。

アナフィラキシーの徴候には、上記の症状の他に以下の症状があります。

・喉と口の腫れ
・呼吸困難
・意識がもうろうとする
・腹痛、下痢
・皮膚や唇が青ざめる
・衰弱して意識を失う

アナフィラキシーは緊急治療を要する医学的な緊急事態です。

アレルゲンの種類 ― 何がアレルギー反応を引き起こす??

比較的よく見られるアレルゲンとしては、以下のようなものがあります。

草木の花粉

杉、菊、ヒマワリ、水仙、チューリップ、プリムラなど。よく知られている症状として花粉症(アレルギー性鼻炎)があります。

ハウスダスト

・チリダニ
・動物の鱗屑(皮膚や毛のごく小さな一片)
・カビ
など

食物

卵、豆類、果物、魚介類、甲殻類、卵、牛乳や乳製品(ヨーグルトなど)、小麦粉など

薬物

イブプロフェン、アスピリン、および特定の抗生物質など

その他

・虫の噛み跡・刺し跡
・ラテックス・・・一部の手袋やコンドームに用いられているもの。
・家庭内の化学物質、洗浄剤や染髪料、化粧品など

食物アレルギーは症状が出る時間の違いに注意!

即時型食物アレルギー

即時型食物アレルギーは、原因となる食品を食べると、IgEという免疫細胞が作用して体内でヒスタミンやセロトニンなどの物質が盛んに産生され、かゆみや蕁麻疹を引き起こすものです。症状はアレルゲン摂取後10分前後で起こります。多くは30分ほどで自然とよくなりますが、中には非常に重症な症状が起こるアナフィラキシーになることもありますので注意が必要です。

アレルゲンの摂取をひかえることが予防対策になりますが、予期せずアレルギーが起こった場合には抗ヒスタミン薬の飲み薬や塗り薬が使用されます。重度な蕁麻疹やアナフィラキシーのときには、ステロイドや血圧を上昇させる薬の点滴が行われ、呼吸困難などが出現した場合には気管挿管などで早急に気道を確保する必要があります。

遅延型食物アレルギー

遅延型食物アレルギーは、IgGという免疫細胞が関与しています。アレルゲンとなる食品に対する抗体が体内で形成されており、そのアレルゲンを摂取すると、抗体と結合して免疫複合体を形成します。
この免疫複合体は血液の中を流れて、体中を巡り、様々な組織にダメージを与えます。組織がダメージを受けて症状が出るまでには時間がかかり、アレルゲン摂取後2~8時間程度で症状が現れるといわれています。

症状は頭痛やめまい、耳鳴りや倦怠感など様々で、アレルギーに特有な症状が現れないことも少なくありません。そのため、アレルギーと気づかれずに適切な治療や対策が行われていないケースも多いでしょう。
原因となる食べ物の摂取を控えることで治療が進められ、3~6か月控えると大半の人が慢性的に続いていた不快症状が軽減するといわれています。しかし、成長期の子供などでは、過度な除去食は栄養の偏りによる弊害が大きくなります。治療は必ず専門の医師と相談して行うようにしましょう。

血液検査だけでアレルゲンを特定できる?

アレルギーの一般的な検査に、血液中にIgE抗体がどれくらいあるかを調べるものがあります。この検査では、アレルゲンになりうる様々な物質や食品のIgE抗体を調べることができます。しかし、食品の場合には血液検査で異常がなくてもアレルギーが起こることがあり、逆に異常があってもアレルギーを起こさないこともあります。また、IgG抗体が関与する遅延型アレルギーの場合には、この検査でアレルゲンを特定することはできません。IgG抗体を調べる検査もありますが、保険が適応されないため、高額になります。

アレルゲンを特定するための検査には、他にもヒスタミン遊離検査やパッチテストなどがあり、これらを併用して行うことがあります。
特に食物アレルギーが疑われる場合には、アレルゲンと考えられる食品を少量ずつ摂取し、アレルギー反応を見るという検査が行われることがあります。この検査はアレルゲンを特定する確実な検査ですが、途中でアナフィラキシーなど重篤な状態となることもあるため、厳密な管理下で急変時の的確な対応が行われる医療機関でしか行うことはできません。
このように、アレルギーの検査は一種類の検査を行うだけではなく、必要に応じていくつかの検査を組み合わせて行われるのが一般的です。

おわりに:症状改善にはアレルゲンの特定が必要。悩んでいる人は検査を検討しよう

アレルギー症状は生涯続くことも多く、心配の種になることも少なくありません。医師と相談しながら症状やアレルゲンへの対処を行い、日々の生活の中で、落ち着いて対応できるようにすることが大切です。
必要に応じて検査を受けるなどして、アレルゲンを特定することをおすすめします。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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