アレルギーのおもな症状とアレルゲンの種類について

2022/12/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

アレルギー反応とは、特定の食べ物や物質に対して過剰に反応してしまい症状が現れてしまうことです。蕎麦や牛乳、卵などのアレルギーを持っている人にとっては、命に関わる事態に陥る危険もあります。この記事では、アレルギーのおもな症状の種類やアレルゲン(アレルギーの原因になる物質)の種類について解説します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

アレルギーのおもな症状

アレルギー反応の症状は、アレルゲンにさらされてから数分以内に発症しますが、ときには数時間かけて徐々に発症することもあります。アレルギー反応は、通常の活動を妨げることもありますが、基本的には軽度でおさまります。アレルギー反応の一般的な症状には、おもに次のようなものがあります。

  • くしゃみ、かゆみ、鼻水、鼻づまり(アレルギー性鼻炎)
  • 目のかゆみ、赤い目、涙目(結膜炎)
  • 喘鳴、胸部圧迫感、息切れ、咳(気管支喘息)
  • 隆起した、かゆみを伴う、赤い発疹(蕁麻疹)
  • 唇、舌、目または顔の腫れ
  • 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
  • 乾燥して赤く、ひび割れた肌
  • 頭痛

アレルギー症状は、何にアレルギーがあるか、どうやって接触したかによって症状が異なります。また、アレルゲンを含む食品を食べることで症状が現れることもあります。過去に何らかのアレルギー反応を起こしたことがある場合は、病院での検査でアレルゲンをある程度特定できる場合があります。検査は症状がアレルギーによるものか、または別の病気が原因なのかを判断することにも役立つので、症状の根本緩和に役立つ可能性もあります。

重度のアレルギー反応「アナフィラキシー」

アレルギーは、「アナフィラキシー」と呼ばれる重度のアレルギー反応を引き起こし、生命を脅かす恐れもあります。アナフィラキシーは、アレルギー反応が全身に影響を及ぼすで起きる症状であり、緊急治療を要する医学的な緊急事態です。アレルゲンにさらされてから数分以内に発症し、上記の症状の他に以下の症状が現れます。

  • 喉と口の腫れ
  • 呼吸困難
  • 意識がもうろうとする
  • 腹痛、下痢
  • 皮膚や唇が青ざめる
  • 衰弱して意識を失う

アレルゲンのおもな種類

比較的よく見られるアレルゲンとしては、以下のようなものがあります。

草木の花粉

  • ヒマワリ
  • 水仙
  • チューリップ
  • プリムラ など

よく知られている症状として花粉症があります。

ハウスダスト

食品

  • 豆類
  • 果物
  • 魚介類
  • 甲殻類
  • 牛乳、乳製品(ヨーグルトなど)
  • 小麦粉 など

薬物

  • イブプロフェン
  • アスピリン
  • 特定の抗生物質 など

その他

  • 虫の噛み跡・刺し跡
  • ラテックス
  • 洗浄剤や染髪料、化粧品などの家庭内の化学物質 など

おわりに:アレルゲンを特定することで症状緩和の対策ができる可能性も

アレルギー症状は生涯続くことも多く、心配の種になることも少なくありません。医師と相談しながら症状やアレルゲンへの対処を行い、日々の生活の中の対処(布団の掃除など)で、落ち着いて対応できるようにすることが大切です。必要に応じて検査を受けるなどして、アレルゲンを特定することをおすすめします。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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