花粉症による肌荒れ「花粉皮膚炎」の予防対策 ― メイクやスキンケアの注意点は?

2022/2/3

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士 呼吸器内科専門医

山本 康博 先生

春になるときまって肌荒れが起こる人は、もしかしたら花粉皮膚炎かもしれません。花粉皮膚炎は、花粉症の一種であるアレルギー症状であり、花粉症と同様に予防対策が大切になってきます。この記事では、花粉皮膚炎の症状の特徴と予防対策について解説します。メイクやスキンケアの注意点についても紹介するので、春の肌トラブル対策に役立ててください。

花粉症が原因の肌荒れ「花粉皮膚炎」とは?

花粉症による症状として、肌荒れや肌の赤み、かゆみなどが起こることがあります。
敏感肌の人を対象に行われた花粉に関する調査によると、春にかゆみを感じている人のうち花粉症であると答えた人は41.5%で、半数以上の人が春先に起こる肌のかゆみの原因を自覚していないという結果が出ています。

春先に肌がかゆくなるという人は、くしゃみや鼻水などの症状がなくても花粉が原因の可能性があります。

花粉皮膚炎の症状の特徴

花粉により起こる肌荒れは「花粉皮膚炎」と呼ばれており、スギ花粉の飛散量のピークの2~4月になる人が多いといわれています。おもな症状は、かゆみや赤み、乾燥肌などの皮膚症状で、チリチリとしたかゆみが特徴です。

花粉皮膚炎の症状は、皮膚に直接花粉が触れることで発症する場合と、目や鼻から花粉が侵入することで発症する場合の2種類あります。首から上にある「衣類に覆われていない露出している部分」の、目の周辺、上まぶた、頬骨、顎などの発症がとくに多く、花粉が入り込みやすいため症状が悪化しやすく、全身に症状が広がり重症化することもあります。

敏感肌は花粉皮膚炎になりやすい

敏感肌の人はお肌のバリア機能が弱く、花粉などのアレルゲンが侵入しやすい状態です。花粉皮膚炎も起こりやすくなります。また、乾燥肌の人はお肌の表面のきめの乱れや角層のめくれなどがあるため、外部からの刺激をさらに受けやすい状態になっています。アトピー性皮膚炎の人は花粉が飛散する時期に症状が悪化しやすいので注意しましょう。

敏感肌でない人でも、春先は乾燥の激しい冬を乗り超えたばかりで、お肌がいつもより敏感になっていることが多いです。帰宅時したら、すぐに手洗い、うがい、洗顔で花粉を洗い落とし、洗顔後はできるだけ早く念入りな保湿ケアを行い、お肌のバリア機能を高めてください。

花粉皮膚炎になったときのスキンケア

花粉皮膚炎の症状があるときにピーリングやゴマージュなどのスキンケアを行うと、お肌のバリア機能を低下させてしまいます。花粉皮膚炎で肌荒れなどの症状が起こったときは、お肌にやさしいスキンケアを心がけ、こすったり、頻繁に触ったりすることも控えてください。

メイクの必要があるときは薄づきメイクに

花粉皮膚炎の症状が起こっている場合は、基本的にはメイクをしないほうが良いです。仕事やプライベートの用事などでどうしてもメイクをしなければいけないときは、お肌への負担が少ないミネラルファンデーションやパウダーファンデーションを使用し、できるだけ薄づきメイクになるようにしてください。目の周辺はとくに皮膚が薄いです。アイメイクの際はブラシやペンシルなどで強くこすらないように気をつけましょう。基本的には、メイクをしても良いか医師に相談してからメイクを再開することをおすすめします。

洗顔、クレンジングは必要最低限に

帰宅時に花粉を洗い流すことは大切ですが、強くこすったり洗顔料を頻繁に使用したりすると、お肌に負担をかけてしまいます。洗顔時は石けんや洗顔フォームをしっかりと泡立て、泡を転がすようにやさしく洗いましょう。洗顔料やクレンジングの使用は1日1~2回までにし、炎症や乾燥が強い場合は洗顔料を使わずに、ぬるま湯だけで洗ってください。

洗顔後はすぐに保湿

お肌のバリア機能を守り乾燥肌を防ぐためには、洗顔後できるだけ早く保湿ケアをすることが大切です。花粉が飛散する時期は、低刺激の敏感肌用のスキンケア用品に変更することをおすすめします。また、テクスチャーがかたい乳液やクリームは、塗るときにお肌を擦って負担をかけやすいので、なるべくのびの良いものを選びましょう。

花粉皮膚炎の予防対策

花粉皮膚炎を予防するには、花粉の付着を防ぎ、花粉が付着したらできるだけ早く洗い流すことが大切です。上記で説明した「帰宅後のうがい、手洗い、洗顔」とあわせて、マスク、メガネ・サングラスの着用で、花粉がつくことを防いでください。また、掃除や洗濯の工夫で室内や衣類の花粉の量を減らすことも大切です。

マスク着用時の注意点

マスクは顔の形にフィットするものを選び、マスクの上部のワイヤーを鼻筋に沿って折り曲げ、隙間ができないように着用することで、花粉の侵入を防ぎやすくなります。

メガネ・サングラス着用時の注意点

外出時にメガネやサングラスを着用すると、花粉が目から侵入することを防げます。普通のメガネでも花粉の侵入はある程度防げますが、目尻まで覆われているタイプや目の周囲のうるおいを保つ機能があるメガネを使用すると、症状の予防や緩和につながる場合があります。体質やライフスタイルにあわせて選んでください。

掃除の注意点

窓際や玄関の周辺、床、カーテン、ソファー、ベッドなどは、花粉が溜まりやすいです。とくにこまめに、念入りに掃除しましょう。換気で窓を開けるときは、開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンを閉めると、室内への花粉の侵入を減らせます。布製品用の花粉防止用スプレー、加湿空気清浄機も花粉対策に役立ちますので、うまく活用してください。

洗濯の注意点

花粉の飛散シーズンは、基本的には室内干しにすることをおすすめします。毎日洗濯できない衣類は、こまめに花粉を払い落とし、衣類用の花粉防止用スプレーで花粉の付着を防ぎましょう。柔軟剤の静電防止作用で花粉の付着を防げますが、敏感肌の人は柔軟剤や洗濯洗剤の影響で肌トラブルが起こることもあるので、あわないようであれば使用を控え、皮膚科に相談してください。

おわりに:花粉の時期の肌荒れは、花粉の付着を防ぎ、お肌のバリア機能を守ることである程度予防できる

花粉皮膚炎は、皮膚に直接花粉が触れたり、目や鼻から花粉が侵入したりすることで起こることがあります。敏感肌の人など、お肌のバリア機能が弱いと花粉などのアレルゲンが侵入しやすくなります。帰宅後の洗顔と洗顔後の保湿ケアをしっかりと行いましょう。また、花粉皮膚炎を始めとする花粉症は、花粉の付着を防ぐことが第一の予防対策です。外出時はメガネとマスクを着用し、こまめな掃除、加湿空気清浄機の使用、換気の工夫、室内干しなどで室内の花粉の量をできるだけ減らしましょう。

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