乾燥が肌荒れの原因?スキンケアで肌荒れはよくなる?

2018/11/8

谷口 隆志 先生

記事監修医師

川崎たにぐち皮膚科、院長

谷口 隆志 先生

乾燥が原因で肌荒れが起こるのはどうしてなのでしょうか?また、スキンケアで乾燥による肌荒れを改善することはできるのでしょうか?肌荒れの原因やスキンケア方法などについて解説していきます。

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空気の乾燥が肌荒れの原因になるのはどうして?

肌の表面は、「表皮」「真皮」「皮下組織」から構成されており、その表皮中の最も表面にある「角質層」と呼ばれる部分が水分不足になることで、カサカサやピリピリの不快感が起こるとされています。

そして角質層が乾燥すると、その下に存在する「真皮」の水分も蒸発するため、肌表面の不快感の他にも、乾燥によるかゆみや細かいシワなどの症状が起こる原因となります。
このような角質層の乾燥は、日常生活において以下のようなことが原因で引き起こされます。

湿度や気温
冬は湿度の低下により肌が乾燥しやすくなり、季節の変わり目(春・秋)も激しい気温差によるストレスで肌バランスが崩れたり乾燥しやすくなります。
紫外線ダメージ
紫外線対策を行わずに強い日差しを受けると、肌に炎症が起こり水分が蒸発して乾燥するため、肌が荒れたりガサガサになります。紫外線が最も強くなる春から夏の間はもちろんですが、真冬や曇りの日であっても紫外線は存在するため、年中きちんと紫外線対策を行う必要があります。
加齢によるもの
加齢とともに肌の保湿力は低下するため、日頃からスキンケアや生活習慣の改善を行い、年齢肌の乾燥を防ぐことが大切になります。
生活習慣の乱れ
睡眠不足、暴飲暴食、過度なストレスなどにより肌のターンオーバーサイクルが崩れると、肌の角質層に影響が及び保湿力が低下するため、乾燥するようになります。

スキンケアをすれば肌荒れは落ち着く?

一般的にスキンケアは1日2回行いますが、その他にもオフィスや屋外などの様々な場所やシーンに合わせた乾燥肌対策を行う必要があります。

まずは洗顔で余分な皮脂を取り除いた後、化粧水で角質層に水分を与え、乳液やクリームなどで肌にバリアを張る、という基本的なフェイススキンケアをきちんと行いましょう。

全身

体(全身)の乾燥を防ぐためには、汚れが落ちて角質層が水分を含んだ状態である入浴後に、皮脂膜のケアを素早く行うことが大切です。乾燥予防目的の場合は、さらさら系のボディジェルやボディローションを使用して、乾燥が強い場合や集中的にケアをしたい部分がある場合は、油分の多いクリームを両手でなじませて塗布するようにしましょう。

自宅でのセルフケア

スキンケアをきちんと行っていても、家の中の湿度が40%以下になり乾燥すると、肌の状態が悪化してしまうため、加湿器を使用するなどして湿度が40%以下にならないように気を付けましょう。特に、暖房や冷房を長時間使用すると乾燥しやすくなるため、加湿器の併用が推奨されます。また、急激に湿度の低い環境に移動すると皮膚に炎症が起こることも知られており、湿度の急激な変化は避けるようにしましょう。

オフィスでの対処

オフィスでの乾燥対策として代表的なものに、ミスト状の化粧水を吹きかけて保湿を行うというものがありますが、実際には、吹きかけた化粧水が蒸発する際に肌の水分を奪うため、逆に乾燥が悪化してしまいます。ミスト上の化粧水を使用する際は、吹きかけた後にその上から油分をプラスして、水分の蒸発を防ぐようにしましょう。

屋外での対策

肌の乾燥状態が酷く、風に当たるだけでも肌が痛むというような場合には、マスクをつけて外出するのもいいでしょう。ただし、不織布マスクを使用すると肌にこすれて刺激となるため、オーガニックコットンのマスクがおすすめです。オーガニックコットンのマスクは天然の油分が含まれているため、保湿効果も期待できます。

乾燥を防ぐために、お風呂のときも気をつけたほうがいいの?

入浴することにより血行が良くなり、乾燥肌対策・美肌効果などが期待できます。
ただし、湿度の高いお風呂に長時間浸かっていると、うるおいを保持するために必要な皮脂や天然保湿因子まで洗い流されてしまうため、40℃程度のお湯に5~10分ほど浸かる程度にするようにしましょう。
また、体を洗う際に強く擦りすぎると乾燥の原因となるため、石鹸やボディソープはよく泡立ててから優しく洗うようにしましょう。

おわりに:それぞれの状況に合わせて乾燥対策を行いましょう

肌の表面にある角質層が乾燥すると、その下に存在する「真皮」の水分も一緒に蒸発し、肌表面の不快感や、乾燥によるかゆみ、細かいシワなどが起こる原因となります。
角質層の乾燥は湿度や気温、紫外線、生活習慣の乱れなどによって起こるため、それぞれのシーンに合わせた乾燥肌対策を行うようにしましょう。

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