記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
2017/7/11
記事監修医師
メディアージュクリニック青山、皮膚科
田中 美帆 先生
冬の時期では話題になる乾燥肌ですが、夏もけっこうつらいものです。汗や髪の毛などの刺激でチクチクしたりかゆくなったりしますよね。
肌荒れの大きな原因の1つの乾燥肌って、どうしてなるのでしょうか?
この記事では、乾燥肌の原因とその対処法についてまとめました。原因がわかれば対処もできます。ぜひ参考にしましょう。
肌が乾燥していると、肌が荒れ、痒くなり、色もくすんできます。特に、シャワーやお風呂に浸かったあと、水泳のあとなどに、肌が突っ張るような感じがします。
また、赤みを帯びたり、肌に亀裂が入ったり、時には傷が深すぎて血が出てしまうこともあるかもしれません。原因となる可能性のあるものはたくさんあります。乾燥した肌荒れにどう対処したら良いでしょうか? まずは、原因を考えてみましょう。
乾燥肌は、どの年代の人でもなる可能性がありますが、50代以降にその傾向が強くなります。これは、年齢と共に肌の皮脂を作り出す腺が小さくなっていき、皮脂の分泌量が少なくなるからです。
アトピー性皮膚炎は、遺伝的に皮膚のバリア機能が低下している状態です。肌が乾燥し痒くなるので、最も気づきやすい症状です。特に、ひじの内側、膝の裏側、顔、手足などに乾燥、湿疹が現れる場合が多いでしょう。
仕事で特定の化学物質や生物製剤を使う場合、または極端な気温の中で働いている場合などは、乾燥肌や慢性的な肌荒れを引き起こしやすい傾向にあります。
肌に影響を及ぼしやすい職業として考えられるのは、飲食店での接客業、美容師、ヘルスケア、農業、クリーニング屋、画家、整備士、印刷業、建設業などです。仕事中は、皮膚を保護するための手袋やマスクを使い、特に乾燥肌やアトピー性皮膚炎がある場合は、できる限り原因となる製品を直接触らないようにしましょう。
長いあいだ湯船に浸かったり、シャワーを浴びることで、乾燥肌になることがあります。また、お湯が熱ければ熱いほど、その可能性は高くなります。
塩素が含まれているプールや温泉も、肌にとっては良くありません。塩素が肌を乾燥させる原因となってしまうからです。また、湯船につかる場合は保湿剤が含まれている入浴剤を使用するようにしましょう。
喫煙は、肌にとっても良くありません。活性酸素を発生することで、シミやたるみの原因になります。また、一酸化炭素を発生するので、血液の巡りも悪くなり、肌がくすんでしまいます。
冬は、ほかの季節と違い、湿度が極端に低くなるため、肌が乾燥しやすい時期です。暖房器具なども空気を乾燥させてしまうため、よくありません。冬の時期には、肌に特別気を使うようにしましょう。皮膚を覆い、よく保湿をし、アレルギー反応を引き起こす可能性のあるものを避けましょう。
紫外線によって皮膚にダメージを与え、水分を保持する力が弱くなってしまい、夏でも乾燥してしまう原因になります。日焼け止めをしっかり塗り、紫外線から保護しましょう。
次に挙げる対処法を試してみましょう。
オイル、ローション、クリームなどは、肌をなめらかにし、柔らかくします。痛みや痒みも和らげることができるでしょう。規定量をしっかり守り、何度も重ね付けすることでより保湿力があがります。
肌が非常に乾燥し赤みを帯びている場合、湿疹の状態に発展していることもあります。湿疹皮膚科を受診しましょう。
乾燥肌は、生活習慣を変えたり、市販の石けんや保湿剤を使うことで改善することができます。
こうしたことを試しても効果が見られない場合、病院を受診しましょう。とくに、乾燥や痒みのせいで睡眠不足に陥っていたり、傷口が広い場合、皮膚が広い範囲で剥けてしまっている場合は、医師に診てもらうようにしてください。
今まで見てきたように、肌荒れの原因にはいろいろなものがあります。乾燥肌で悩む人は特に多いので、この記事を読んで、ヒントを得て対策をしましょう。