記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
認知症の人と接する時は、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?認知症の人との接し方や注意するポイントについて解説していきます。
認知症の人は、最近の記憶はなくても古い記憶は残っている場合が多く、感情も豊かに生活しています。また、患者さん自身も認知症による不安・混乱・焦燥感などを抱えているため、以下のことに気をつけながら自尊心を傷つけることのないように接することが大切です。
バリデーションとは、「認知症の人の感情・欲求を表に出す」「人生の未解決問題を解決する手助けをする」ことを目的に行われるコミュニケーション方法です。
日本で行われたある研究では、特別養護老人ホームなどの施設入所者30名を対象として、週に1度、同じ時間、同じ人たち、同じ場所で、皆で歌を歌うなどの活動をした結果、バリデーションを実施したグループのみに、感情状態の陰性傾向が低下し、陽性傾向が上昇する結果が出ました。バリデーションによって、認知症の人たちの間に新たなコミュニケーションができ、心的交流ができるようになったと考えられています。
ユマニチュードは、フランスで始められた、知覚・感情・言語を用いたコミュニケーション方法で、「見つめる」「触れる」「話しかける」「立つように支援する」の4つの行動を実施します。
ユマニチュードには上記の他にも150の技法がありますが、できるものから少しずつ実施していくことが大切です。看護師や介護士だけでなく、家族の人と一緒に自宅で行うこともできます。
お財布などが盗まれた等の「もの盗られ妄想」の症状がある時は、本人の話をよく聞いて、一緒に探したり調べたりするなど、本人の心に寄り添った対応をすることが大切です。また、ケアをする人が本人と対等な関係を築くことで、被害妄想が改善することがあります。
徘徊の症状がある場合は、本人なりの目的や理由があることが多いので、責めたり無理に行動を止めたりすることは控えましょう。本人の話を共感しながら聞いたり、外出する際は後ろから見守ったり、本人が歩き疲れた頃に声をかけたりしましょう。また、念のために、徘徊感知器・GPS付き発信機・近所の交番の協力を仰ぐなどの対策をしておくことも良いでしょう。
認知症の人と接する際には
といったことが大切です。また、徘徊や被害妄想などの症状がみられる場合も、本人の心に寄り添って対応しましょう。