記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/12
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
男性は発症に注意が必要な「前立腺がん」の検査は、どのように行うのでしょうか?また、前立腺がんを予防するにはどのような対策をすればいいのでしょうか?前立腺がんの検査や予防対策について解説していきます。
前立腺がんの予防として受けるPSA検査は、採血のみの検査で、血液中にある前立腺特有のタンパク質である「PSA」の数値を測定します。スクリーニング検査※の中では最も精度が高いとされている検査です。
前立腺がんは年齢を重ねるとともに発症率が高まるため、40歳以上の人は定期的にPSA検査を受けることが推奨されます。また、PSA検査では前立腺肥大症や前立腺炎でも数値が高くなるため、より詳しい検査をして、前立腺がんの有無を確認することがあります。
※スクリーニング検査とは、ある状態にある人々とそうでない人々を、可能な限りふるい分ける検査です。
前立腺がんの初期の頃は気が付かないことが多く、病状が進行している場合でも見逃してしまうことが多くあります。そのため、排尿時に少しでも違和感を感じた場合は、早めにPSA検査を受けるようにしましょう。
高温の油で揚げた食べ物(フライドポテト、フライドチキン、とんかつなど)は、前立腺がんの発症を誘発するとされているため控えましょう。栄養バランスのとれた食生活をすることが大切です。
イソフラボンを多く含む食品は、前立腺がんの予防に効果的だとされています。大豆製品(豆腐、納豆など)を積極的に摂取している人は、がんの発生率が低いことが疫学的に確認されています。
米国国立がん研究所雑誌の論文は、「トマトに含まれるリコピンを積極的に摂取している人は、前立腺がんの発症率が低い」と発表しています。リコピンはがんの発症リスクとなる活性酸素を消去する能力が高いため、前立腺がんの予防対策として効果的だと考えられます。
お酒は禁酒する必要はありませんが、適量を心がけましょう。過度な飲酒を避けることは、前立腺がんだけでなく他の病気(がん、動脈硬化など)の予防対策としても必要な要素になります。
適度な運動は、がんの発症と関係の深いストレスや血行不良を解消することにつながります。日頃から栄養バランスのいい食生活とともに、運動する習慣を取り入れるようにしましょう。
前立腺がんと関係のある男性ホルモンの分泌量は、年齢が上がるとともに減少していきます。男性ホルモンの分泌量を活性化するためには、質の良い睡眠・睡眠時間が必要不可欠となります。
ストレスとがんの関係は深いため、がんの発症リスクを減らすためにはストレス解消が重要な要素となります。仕事や人間関係、環境の変化などによるストレスから逃れ、自分の好きなことをしたりリラックスする時間を持つことが大切です。
前立腺がんを予防するためにはまず、PSA検査を受けましょう。特に40歳以上の人は発症率が高いため、定期的にPSA検査を受けることが推奨されます。排尿時に違和感を感じた場合も、早めに検査を受けるようにしましょう。また、リコピンやイソフラボンを多く含む食品を積極的に摂取したり、適度な運動や質の良い睡眠を心がけることも大切です。