記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/12 記事改定日: 2019/1/31
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
貧血の種類はどれくらいあるのでしょうか?また症状や診断方法に違いはあるのでしょうか?
この記事では、貧血の種類や症状、治療方法について解説していきます。貧血症状を持っている人は参考にしてください。
貧血の種類は、主に下記のような種類があります。
ヘモグロビンの主な材料となる鉄不足により、ヘモグロビンの量が減少し、引き起こされる貧血です。鉄不足が起こる原因には以下の4つのようなことが考えられます。
血液を生成する骨髄の働きが低下すると、赤血球などの全ての血球を作ることができなくなり、貧血が起こります。
赤血球の生成に必要なビタミンB12、葉酸などが不足することにより赤血球の量が減少し貧血が引き起こされます。
通常、赤血球は120日ほど生存できますが、赤血球の膜が壊れることによりヘモグロビンが流出すると、皮膚や目が黄色く変色する溶血性貧血が起こります。
マラソン選手や長距離歩行を行う人に多いとされています。
血液の赤みのもとであるヘモグロビンが減少すると、顔色が黄色くくすんだり、爪の色が白っぽくなることがあります。
また、貧血になると酸素のめぐりが悪くなるため
などが起こり、症状が悪化すると爪の中央がへこんだり、失神することもあります。
貧血の有無を確認するためには、赤血球に関する下記の検査が必要になる場合があります。
以下の正常値を基準に診断が行われます。
一般的にはヘモグロビン濃度が低下した状態を貧血と呼ばれていますが、以上の数値を下回る場合は貧血と考えましょう。また、健康診断などで貧血を指摘された場合は、医療機関を受診して、さらに詳しい原因や種類を調べる必要があります。
貧血は発症原因によって多くの種類に分けられ、その種類によって治療法も異なります。
最も発症頻度の高い「鉄欠乏性貧血」は、ヘモグロビンの生成に必要な鉄分が不足することが原因のため、治療には鉄剤の内服や食事療法などが行われ、重症な場合には輸血が必要になることもあります。また、鉄分が不足する原因として、がんや胃潰瘍などの病気が潜んでいる場合は、それらの治療も同時に行われます。
一方、再生不良性貧血や白血病など血液を生成する骨髄に異常が生じることによって生じる貧血には、輸血によってヘモグロビンを含む赤血球を補給する必要があり、それぞれの原因となる病気に対して、抗がん剤や免疫抑制剤、骨髄移植などの治療が行われます。また、悪性貧血や溶血性貧血などでも不足した栄養素の補給や、血球を破壊する脾臓の摘出などそれぞれの原因に即した治療が行われます。
このように、貧血は、発症原因によって治療法が大きく異なります。貧血症状があるものの、市販のサプリメントなどを服用して様子を見る人は多いと思いますが、どのような原因で貧血が生じているのかを調べるためにも、自己判断でサプリメントなどの服用を続けず、まずは病院を受診して検査を受けるようにしましょう。
貧血の種類には、鉄欠乏性貧血・再生不良性貧血・悪性貧血(巨赤芽球貧血)・溶血性貧血などがあり、その原因として、鉄不足・骨髄の働きの低下・ビタミンB12や葉酸の欠乏症・ヘモグロビンの流出などが挙げられます。
それぞれ治療方法や対処法が違ってくることもあるので、貧血症状がある人はまず病院で検査してもらい、どのような対処が適切かアドバイスしてもらいましょう。