記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
「こんな簡単な仕事もできないの?」「使えないヤツ」などの暴言。
とてもこなせないような量の仕事を押し付けられたり、無視されたり。
悲しいことですが、大人になった後も「いじめ」は存在します。
職場でいじめられて、傷ついているあなたへ、役に立つ対策をご紹介します。
悪口や無礼な態度などといったはっきりと見てとれるようなものもあれば、微妙なラインのものもあります。
例としては、
・仲間はずれにする
・仕事を評価しない
・仕事に対して許容できない批判を浴びせる
・過労させる
といったものもいじめの部類に入ります。
いじめは必ずしも、立場の強い者が弱い者に行うわけではありません。
ある人の力や能力に対して脅威を感じた者が、いじめを始める場合もあるのです。
いじめを受けている間は、惨めな職場生活を強いられることになります。
信念を失い、病気を患ったり鬱っぽくなったり、職場で自分を奮い立たせるのが難しくなったりします。
では、実際に職場でいじめのターゲットになってしまった場合、どうすればいいでしょうか。対策として、以下のものがあります。
まず、味方を見つけることが大切です。「恥ずかしくて人に話せない・・・」と自分ひとりで抱え込まないでください。いじめは深刻な問題で、誰かに知らせて助けを求めるべきものです。自分の体験を共有することで、「ほかの人も同じ目に遭っているんだ」と気づくこともあるかもしれません。
職場でのいじめを内々に解決させるためには、まず以下の人に相談してみましょう。
・従業員の代表
・企業の人事部の人
・上司や経営者
会社によっては、いじめやハラスメント対策の専門家を雇っている場合もあります。その場合は利用してみてもいいでしょう。なお、いじめの影響が健康にも出ている場合は、医師の診断を受けるようにしてください。
あなた自身が精神的に強くなることももちろん大切です。「批判や個人攻撃は、自分の能力とは関係の無いものだ」という事実に気づいてください。いじめは、いじめる側の弱さや、相手を脅してコントロールしようという意図の反映に過ぎないのです。
冷静さを保ってください。「自分がおかしいのかも」など自身を責めないようにしましょう。
いじめは意図的なものでは無い可能性もあります。
できることなら、いじめてくる相手と話し、いじめが自分にどんな悪影響をもたらしているか自覚させるのが望ましいです。ただこのとき、事前に何を言うのか決めておくようにしてください(自分がどんないじめを受けていて、どうしてそれを苦痛に思っているのかなど)。また話すときは、冷静で丁寧な口調を心がけてください。
自分で話しに行きたくない場合は、代わりの人にお願いしてもいいでしょう。
いじめの内容をきちんと記録することは、後々に行動を起こす際にとても役立ちます。いじめてくる相手に向けて、そのいじめは許されないものなのだと冷静に述べましょう。
いじめる側は、逆らわれたり歯向かわれたりするといじめから手を引くことが往々にしてあります。味方と一緒にいじめに立ち向かうのもいいでしょう。
内々に問題を処理できなかった場合には、正式に苦情をいれる、という方法があります。これを行う場合は、雇用者の苦情処理手続きに従う必要があります。
雇用者の苦情処理手続きを踏んでもなお、いじめが解決しない場合があります。そんなときは、労働裁判所にいくという法的措置も考慮しましょう。その際には、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
いじめられると、その事実を認めたくなかったり、恥ずかしかったりしてなかなか周囲に相談できないケースがあります。
しかし、いじめは社会的に許される行為ではありません。心を強くもって、頼れる味方と一緒に毅然と立ち向かうようにししましょう!
できる対策はたくさんありますよ。