筋肉痛に似た痛みが出る病気の特徴は?どんなときに病院に行けばいい?

2018/6/21 記事改定日: 2020/6/29
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

筋肉痛では、筋肉にだるさやうずくような痛みが起こります。基本的には激しい運動による筋肉の損傷が原因で起こるものですが、病気が原因で筋肉痛と似たような痛みが起きるケースがあることを知っていますか?
今回は、筋肉痛に似た痛みを引き起こす病気についてご紹介していきます。

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筋肉痛に似た痛みが出る病気:リウマチ性多発筋痛症

リウマチ性多発筋痛症は、主に肩や首、太もも、腰周辺で、痛みやこわばりといった筋肉痛症状が起こる、50代以上の方に多い病気といわれています。

「リウマチ性」という名前がついていますが、一般的な関節リウマチとは異なり、筋肉に痛みが起きることが多いという特徴があります。

症状
  • 夜に筋肉の痛みが強くなることが多い
  • 眠れないほど筋肉の痛みが強くなることがある
  • 発熱
  • 食欲不振、体重減少
  • 抑うつ症状

関節リウマチなどの膠原病や感染症などの原因疾患が認められず、血液検査でCRP(炎症の数値)が高く、関節エコー検査で肩や腱に炎症が確認できる場合は、リウマチ性多発筋痛症の疑いが強くなります。

筋肉痛に似た痛みが出る病気:線維筋痛症

一般的な検査をしても特に異常が認められないにも関わらず、全身に強い痛みやこわばり、倦怠感、睡眠障害、うつ状態などが見られる病気です。

線維筋痛症の発症原因やメカニズムはよくわかっていませんが、痛みの信号を感じる脳の機能に障害が起きているために、ちょっとした弱い刺激でも強い痛みを感じるようになるのではと考えられています。
ストレスや外傷をきっかけとして発症するケースが多いといわれています。

筋肉痛に似た痛みが出る病気:多発性筋炎(皮膚筋炎)

自己免疫システムの誤作動によって、筋肉や皮膚を免疫細胞が攻撃してしまい、筋肉の脱力感や痛み、倦怠感を感じる病気です。膠原病の一種で、国の難病にも指定されています。

筋肉症状
筋肉痛や筋力低下が見られるのは、主に首や二の腕、太ももなど体の中心に近い筋肉です
皮膚筋炎
手の甲や肘、膝、首の周りなどで赤い発疹が見られる場合は「皮膚筋炎」と呼ばれます
その他
食欲不振や発熱など

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筋肉痛に似た痛みが出る病気:血管炎

免疫細胞が血管の壁を攻撃することで、さまざまな症状を引き起こす膠原病の一種です。どの血管の壁で炎症が起きたかによって症状は異なります。

筋肉痛やしびれ
足の血管の壁が傷つけられた場合、筋肉や神経に栄養が行き届かなくなることで、ふくらはぎや太ももの筋肉痛やしびれが起こるようになります。
臓器障害のおそれ
血管の太さや場所によっては心筋梗塞や脳梗塞などの臓器障害に発展するおそれがあります。
その他
網目状のあざや発熱、咳、体重減少、こめかみの痛みなどが起こります。

筋肉痛との見分け方は?どんなときに病院を受診する?

筋肉は普段と違う運動をしたり、緊張で力が入ったりするなど些細なきっかけでダメージを受けやすい組織です。

筋肉痛の特徴

筋肉痛は、上述した通り運動に伴って生じる筋肉の損傷によって引き起こされる痛みのことです。一般的には、運動直後に発症することはなく、運動後数時間~翌々日にかけて発症し、痛みが現れるまでにかかる時間には次のような特徴があります。

  • 筋肉への負担がかかりやすいハードな運動ほど早い段階で痛みが生じる
  • 筋肉が伸展を繰り返すような階段の上り下りなどは強い筋肉痛が起こりやすい
  • 普段から筋肉を鍛えている人ほど筋肉痛は起こりにくい

しかし、筋肉の痛みは上で紹介したような病気によって引き起こされることもあります。次のような筋肉の痛みが続くときは、軽く考えずできるだけ早く病院を受診するようにしましょう。

  • 思い当たる筋肉の酷使がないにも関わらず定期的に筋肉が痛む
  • 筋肉の痛みと共に筋力低下が発生している
  • 原因がわからない発疹を伴う
  • ケガをした覚えがないのにアザや腫れを伴う
  • 体重が減ったり、熱が出たりなど体調の不調を伴う

おわりに:筋肉痛以外の症状や痛みが長期間治まらないときは早めに病院へ

筋肉痛がなかなか治らないだけでなく、痛みが眠れないほど強いものであったり、体重減少や皮膚症状など別の異変もみられるようなら、ご紹介したような病気が原因の可能性があります。専門の医療機関を受診し、原因の特定を進めていきましょう。

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