記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/20
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
熱性痙攣を起こしやすい子供にはどのような特徴があるのでしょうか?また、発作が起こりやすくなる時期はいつなのでしょうか?熱性痙攣を起こしやすい子供の特徴や、時期について解説していきます。
熱性痙攣は一般的に、生後6ヶ月~6歳までの子供が発症しやすいです。特に3歳までの発症率が高いといわれており、2歳までに6割、3歳までに8割の割合で発症し、小学校低学年頃から起こらなくなるとされています。
そのため、年長の学童時に発症した場合は、熱性痙攣以外の病気の可能性があるため注意が必要です。
また、熱性痙攣の発症には遺伝的な要素が関係しているといわれており、親族に熱性痙攣の既住歴がある子供の発症率は50%(約半分)とされています。また、熱性痙攣は一度発症すると30~50%の確率で発作を繰り返すといわれています。
熱性痙攣は、発熱時の急激な体温上昇に伴い起こるので、発熱から24時間以内に起こるケースが約8割とされています。一般的に痙攣の持続時間は2~3分ほどですが、中には30分以上持続する場合や、1日内に2~3回発作が起こることもあります。
発熱から2、3日後に痙攣が起こる場合は、髄膜炎や脳炎の可能性があるため注意が必要です。これらの病気は、痙攣が起きてから初めて発熱していることに気付くことが少なくないからです。ただし、熱性痙攣が原因となる場合は脳に影響を及ぼす確率は低いとされています。
子供が熱性痙攣を起こしたときは、まず慌てずに落ち着くことが大切です。いざというときに慌てないように、以下のケア方法を覚えておきましょう。
以上のようなケアを行っても症状が治まらない場合や、以下の項目に該当する場合は病院を受診しましょう。痙攣の持続時間が長くなると、身体に影響を及ばす恐れがあります。
早急に救急車を呼ぶ必要がある場合や、どうしたら良いか判断に迷ったときには、小児救急電話相談(#8000)に相談するのもおすすめです。小児救急電話相談に電話をかけると、お住いの都道府県の相談窓口につながります。そこで症状を説明すると、小児科医師や看護師から適切な対処法や病院の行き先などを教えてもらえるため、熱性痙攣以外の病気のときにも使用することができます。必要に応じて活用してみましょう。
熱性痙攣は特に3歳までの子供の発症率が高く、発症しやすさには遺伝的な要素も関連しているといわれています。もしお子さんが熱性痙攣を起こしたら、ご紹介したケアを落ち着いて行ってあげましょう。ただし、長く痙攣が続くなど異変が見られたら、小児救急電話相談に問い合わせ、病院を受診されることをおすすめします。