熱性痙攣を起こしやすい子供の特徴は?痙攣を起こしやすい時期って?

2018/7/20

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

急な発熱に伴って意識障害、けいれんを引き起こす「熱性痙攣」。今回はこの熱性痙攣が起こりやすい子供の特徴や、発症タイミングについて解説していきます。

熱性痙攣を起こしやすい子の特徴は?

熱性痙攣は一般的に、生後6ヶ月~6歳までの子供に見られる現象です。特に3歳までの発症率が高いといわれており、おおよそ小学校低学年頃から起こらなくなるとされています。

熱性痙攣には遺伝傾向があり、両親のどちらかまたは兄弟姉妹に熱性けいれんの既往がある場合、発症しやすくなります。

熱性痙攣が起こりやすい時期は?

熱性痙攣は発熱時の急激な体温上昇に伴い起こる現象なので、ほとんどの場合、発熱から24時間以内に発生します。一般的に痙攣の持続時間は2~3分ほどですが、中には30分以上持続する場合や、一日に2~3回発作が起こるケースもあります。

 

熱性痙攣を起こしたときのケアは?

子供が熱性痙攣を起こしたときは、落ち着いて対処することが大切です。いざというときに慌てないように、以下のケア方法を覚えておきましょう。

怪我につながる物を遠ざける
ストーブや尖ったものなど、怪我につながる身の回りの物を遠くに置きましょう。子供の場合は、眼鏡やヘアピンなど身に着けている危険物も取り除く必要があります。
顔を横に向ける
嘔吐物が喉に詰まるのを防ぐために、顔を横に向けましょう。
服をゆるめる
呼吸がしやすいように、首元のボタンや、ベルトなどをゆるめましょう。
刺激しない
身体を激しくゆする、手足を押さえる、大声で呼びかけるなどの刺激を与えないようにしましょう。
口のなかの確認
熱性痙攣により舌を噛むことは稀ですが、口の中に物(食べ物など)が入っている場合は取り除きましょう。喉に詰まってしまう恐れがあります。
様子の観察
顔の表情、眼球の動き、手足の動作、持続時間、痙攣後の状態、体温などを注意して観察・記録しましょう。診察時に役立ちます。

病院を受診した方がいい場合

症状が治まらない場合や、以下の項目に該当する場合は病院を受診しましょう。痙攣の持続時間が長くなると、身体に影響を及ばす恐れがあります。

  • 10分以上痙攣が持続する場合
  • 短い間隔で何度も痙攣を繰り返す場合
  • 痙攣に左右差がある場合
  • 痙攣後も意識不明の状態が続き、体がうまく動かない場合
  • 38℃より低い熱で痙攣が起きた場合

緊急の場合や判断に迷ったときは・・・

早急に救急車を呼ぶ必要がある場合や、どうしたら良いか判断に迷ったときには、小児救急電話相談(#8000)に相談するのもおすすめです。症状を説明すると、小児科医師や看護師から適切な対処法などを教えてもらえます。必要に応じて活用してみましょう。

おわりに:乳幼児は発症することの多い熱性痙攣。落ち着いて対処を

熱性痙攣は3歳までの子供の発症率が高く、発症しやすさには遺伝的な要素も関連しているといわれています。もしお子さんが熱性痙攣を起こしたら、ご紹介したケアを落ち着いて行ってあげましょう。ただし、長く痙攣が続くなど異変が見られたら、小児救急電話相談に問い合わせ、病院を受診されることをおすすめします。

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