記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/6/27
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
浮腫を漢方薬で改善することは出来るのでしょうか?また、おすすめの漢方薬にはどのようなものがあるのでしょうか?浮腫に効果のある漢方薬について解説していきますので、参考にしてください。
漢方医学の視点では、以下のような考え方が浮腫に影響していると考えられています。
脾漢方においては、浮腫は「水滞」と呼ばれ、「脾」と呼ばれる臓腑の栄養や水分を体内に取り込む力が低下することにより起こると考えられています。
漢方において「肺」は、体内の余分な水分を膀胱に運び、尿中に排出させる作用があるとされています。また、体表に運搬された水分は、皮膚の潤いを保持したり、汗として排出する効果があると考えられています。そのため、肺の機能が低下すると発汗作用や尿の量の減少が起き、水分がうまく排出されなくなるため、結果としてむくみが生じるとされています。
腎漢方においての「腎」は、体内の余分な水分は膀胱に蓄えて尿中に排出し、逆に水分が不足している場合は脾や肺に作用して、口や喉の渇きを促すなどの生理反応を要求する働きがあります。これらの腎の機能が低下すると、尿中への不要な水分の排出が出来なくなるため、むくみが発生するとされています。
心血漢方においては、むくみの原因に血流が関係していると考えられています。
「心」は、心臓の全身に血液を運搬するため、心の機能が低下すると血流が悪くなり、また水分の流れが滞ることによりむくみが起こるとされています。
また、「血」が不足することにより、体内を流れる血液量が減ると、運搬できる水分量も減少するため、水分が全身に滞りむくみの原因になるとされています。
「脾」の症状は主に手足やまぶたに起こるとされており、「腎」の症状は顔面に、「心」の症状は足にむくみが発生しやすいとされています。
また、ストレス、冷えなどにより交感神経が優位になると、血管収縮が起こることにより血行が悪くなり、むくみが起こることもあります。
このように、むくみは様々な原因が組み合わさることにより発症することが多いため、基本的には医療機関で適切な処置を受けることが望ましいです。
また、食生活の改善で浮腫の症状がある程度よくなることもあります。
まずは、胃腸の機能を整えることにより、血液の産生や代謝に必要なミネラル成分の吸収がスムーズに行えるようになります。また、浮腫を改善するためには、食生活の改善も重要となります。
以下のことを気をつけて、食事の内容を見直しましょう。
漢方医学では、脾、肺、腎、心、血の原因別に効果のある漢方薬が変わり、血行を良くして、体内の水のめぐりを改善する作用のあるものなどが使用されます。
むくみは様々な原因が組み合わさることにより発症することが多いため、症状がなかなか改善されない場合は、医療機関を受診しましょう。また、胃腸の機能を整えたり、食生活を改善することも浮腫の改善につながることがあるので、この機会に見直しみてください。