お風呂の後、風邪を引いてしまう原因と予防法をご紹介!

2018/6/29

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「湯冷めして風邪をひくから暖かくしなさい」と子供のころにしかられたことがありませんか。
湯冷めをすると確かに寒気がすることがありますが、湯冷めは本当に風邪の発症要因になるのでしょうか。
この記事では、湯冷めと風邪の関係性と湯冷め防止対策について解説していきます。

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お風呂の後に風邪を引くのはどうして?

40℃程度の湯船に入ると、体の表面だけではなく深部体温が上がっていきますが、そのまま体温が上がり続けることも困ります。そのため、人間の体は体温が上がりすぎることを防ぐために、全身の血管を広げたり、汗をかいたりすることで熱を放出して、体温が一定の幅になるように調節をしています。

しかし、お風呂から出たあとすぐに気温が下がってしまうと体はすぐには対応できません。
血管が広がった状態では、どんどん熱が放出されていきます。また、体や髪の水滴をきちんと拭かずにいることでも、水分が蒸発するときに体の熱を一緒に奪っていきます。
そのため、何らかの工夫をしないと、せっかく温まったはずなのに体が冷えていくことになります。これが湯冷めです。湯冷めと風邪の関係性については科学的には不明なところもありますが、体の冷えは免疫機能の低下に関わるともいわれています。湯冷めによって体温が低くなることで、外部からのウイルスの侵入に対して抵抗しづらくなるのかもしれません。

湯冷めを防いでお風呂後の風邪を予防しよう!

湯冷めを防ぐためには、入浴前後に次のようなことに気をつけましょう。

脱衣所や部屋は温めておく
入浴後の体は体温を下げようと調節をしています。入浴後の脱衣所や部屋が寒いと体がどんどん冷えていってしまうため、適温に調整をしておきましょう。血管の急激な収縮を防ぎ、脳血管障害や心筋梗塞の予防にもつながります。
湯上がりに足に冷水をかける
湯上がりに足元に軽く水をかけると、皮膚表面だけを冷やすことができ、体が過剰に熱を放出することを防ぐことができると考えられています。しっかり冷やす必要はなく、シャワーやかけ湯程度で済ませましょう。
体や髪の水分はしっかり拭くこと
肌の水分や汗は、蒸発するときに温度を奪っていきます。人間が体温を一定の幅に保つためには大切なことですが、入浴後に過剰に熱が奪われてしまうと体が冷え切ってしまいます。お風呂に入った後も肌がぬれていたり、髪がぬれたまま放置していると、蒸発するときに体温が奪われます。体はよく拭き、髪も早めに乾かしましょう。
汗が止まるまでは布団に入らない
体がほてって汗がどんどん出てくるような状態では、布団に入らないようにしましょう。布団をはねのけたり、汗を大量にかいたりすることで、かえって体を冷やしてしまいかねません。

おわりに:湯冷めが風邪の発症の原因と決まったわけではないが、悪化させる要因になるのできちんと対策をとろう

湯冷めと風邪の関係については科学的にはまだわからないところもありますが、湯冷めは、風邪を悪化させるということが知られています。入浴して温まったからと油断せずに、脱衣所や室内の環境を整え、湯冷めをしないような入浴方法、身支度を心がけましょう。

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