いびきが疲れやストレスで起こるのはなぜ? 逆にいびきで疲れることもある!?

2018/6/28

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

「疲れが溜まるといびきが出る」という話を聞きますが、なぜ疲れるといびきが発生するようになるのでしょうか。また、逆にいびきが疲れの原因になることもあるのでしょうか。疲れといびきの関連性や、いびきの発生メカニズムなどを詳しく紹介していきます。

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疲れやストレスでいびきが起こるのはなぜ?

普段はいびきをかかない人でも、疲れやストレスが蓄積されるといびきをかくことがあります。これは、無意識のうちに体が酸素をたくさん取り入れようとして、鼻呼吸よりも口呼吸をするようになるためということが一因ではないかと考えられています。

人間はストレスや疲労が溜まると、呼吸や血圧などを司る自律神経が乱れるために呼吸が浅くなるのですが、そうすると胸での浅い呼吸では脳に十分酸素が行き渡らなくなるため、普段よりも多くの酸素を必要とするようになります。すると、多く酸素を取り込もうとするために必然的に口で呼吸をするようになるのです。

睡眠中に口呼吸をすると、喉の奥へ舌が落ち込みやすくなるため、気道が狭まりやすくなります。そしてその状態で気道を空気が通過すると、粘膜が震えていびきが起こるようになります。
また、疲れやストレスが溜まった状態だと全身の筋肉が普段以上に弛緩するため、のど周辺の筋肉も緩むことで舌がさらに喉の奥に落ち込みやすくなり、ますます気道が狭まっていびきが発生しやすくなります。

疲れが取れないのはいびきのせいかも?

疲れはいびきの原因であると同時に、いびきも疲れの原因になることがあります。
いびきは、空気が狭くなった気道を通る際に発生する摩擦音です。気道が狭い状態が続くと十分な酸素が脳に行き渡らずに脳が低酸素状態になり、自律神経が心拍数や血圧を上げて脳に酸素を届けようとします。これは睡眠中も激しい運動中と同じように、酸素を脳に送るために自律神経がフル稼働している状態が続いていることになります。この状態では、いくら寝ても疲れが取れないように感じてしまっても不思議ではないでしょう。

いびきを防止するには「横向き」に寝るのがおすすめ

疲れやストレスによるいびきを防止するには、根本原因である疲れやストレスを溜めないようにするのが一番ですが、なかなかうまくいかないのが現実。

そこでおすすめなのが「横向きに寝る」という方法です。横向きに寝ると、舌の根元が落ち込まなくなるので、気道が確保されやすくなりいびきをかきにくくなります。いびきをかくのは仰向けの寝姿勢の人が多いといわれていますが、横向きの寝姿勢に変えたところ、多くの人にいびきの改善効果が見られ、脳の低酸素状態も軽減されたという結果が得られています。

「慣れない寝姿勢に変えるのは難しい!」という人は、抱き枕を活用するといいでしょう。両足で抱き枕を抱えるように挟んで横向きになり、上になった足をやや前方に出して軽く上げる「シムス体位」という姿勢は、睡眠中もキープしやすいのでおすすめです。

おわりに:いびきと疲れには関連性が。寝姿勢を変えるなどしていびきを防止しよう

いびきの発生には疲れやストレスの蓄積が関連しており、さらにいびきをかくとますます疲れやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。疲れを日頃からこまめに発散しつつ、横向きの寝姿勢にしたり、いびき防止グッズを買ってみたりなど、できるいびき対策から始めていきましょう。

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