記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/30
記事監修医師
前田 裕斗 先生
コンドームや避妊リング、ピルなど、現代には望まない妊娠を避けるためのさまざまな避妊方法がありますが、避妊していても妊娠してしまうことはあるのでしょうか?
今回は避妊している場合の妊娠の可能性について、妊娠しているかもしれないときの対処法とあわせて、解説していきます。
まずは、一般的によく行われている7つの避妊方法を、それぞれの避妊成功確率とあわせて見ていきましょう。
女性の基礎体温の変化から妊娠しにくいタイミングを狙ってセックスする避妊法で、副作用がなく、少しの知識と女性用体温計さえあれば実践できる方法です。
精子を殺す作用のある錠剤・フィルム・ゼリー状の薬剤を、セックスの10~15分前に腟内に挿入しておく避妊法です。
両面に殺精子剤を塗ったゴム製のキャップをセックスの直前に子宮口に装着しておき、射精から8時間後に取り外す避妊法です。
膣への挿入の前にペニスにゴム製の袋をかぶせておき、射精した時の精子の子宮への侵入を防ぐ避妊法です。
子宮内にプラスチックや銅製の器具を挿入しておき、子宮の異物反応を利用して精子の活動能力を下げたり、妊娠しにくいよう子宮粘膜の質を変える避妊法です。
女性が毎日日常的に、決められた用法・用量で黄体ホルモンとエストロゲンを配合した薬を服用することで、排卵をコントロールする避妊法です。
女性の卵管を縛る、男性の精子の通り道をパイプカットするなどして、卵子と精子そのものを塞いでしまう半永久的に効果が持続する避妊法です。
上記から、いずれも70%以上の高い避妊効果が見込めるものの、100%確実に妊娠を予防するものではないため、セックスをすれば妊娠の可能性はあるということがわかります。
コンドームやピルなど、比較的手軽かつ高い避妊成功率を誇る方法でも妊娠する理由としては、使用方法が正しくなくて避妊そのものに失敗した可能性が考えられます。
たとえば、コンドームを使用していたのに妊娠してしまった場合には、以下の理由による避妊の失敗が考えられます。
また、ピルを服用していたのに妊娠した場合にも、決められた時間・量での服用を怠ったことによる、避妊そのものの失敗が考えられます。
セックスの途中やセックスの後に避妊の失敗に気づいたときは、望まない妊娠を避けるための応急処置として、女性が「緊急避妊ピル」を飲む方法があります。
緊急避妊ピルは「モーニングアフターピル」とも呼ばれる薬剤で、セックスの後72時間以内に服用すれば、主成分の黄体ホルモンの作用で排卵・受精・着床を防いでくれます。
ただし、緊急避妊ピルの効果は「受精から着床までを防ぐ」もので、着床した受精卵に作用するものではないため、その避妊効果も100%ではありません。また、服用によって吐き気や眠気など妊娠初期のつわりのような症状が出る女性もいるため、使用の必要がないようにきちんと避妊すべきと覚えておきましょう。
現代にはさまざまな避妊具があり、正しく使用すれば高い避妊効果を得られます。しかし避妊に失敗する可能性もあるため、避妊成功率は100%ではありません。どのような方法で避妊していても、セックスをする限り妊娠の可能性は存在しているのです。この記事から避妊と妊娠の可能性、避妊に失敗したときの応急処置についてよく理解し、避妊に対する正しい知識を持っておいてください。