性病で体に皮膚症状が出ることってあるの?

2018/7/2

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

性病(性感染症:STD)の症状といえば、「性器のかゆみやできもの」「おりものの臭さ」などがパッと思い浮かびますが、全身に皮膚症状が現れることはあるのでしょうか?以降では、体の皮膚症状をもたらす主な性病についてご紹介します。

体の皮膚症状が出る性病:梅毒

梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体の感性によって起こる性病の一種です。性行為(セックスやオーラルセックス、オーラルセックス)を通じて、皮膚や粘膜などの小さな傷から病原体が侵入することで感染します。特にアナルセックスでの感染が多いとされ、近年日本国内で、若い女性の感染者が増加傾向にあります。なお、感染者と性行為をした場合、1回で感染する確率は20%以上ともいわれています。

梅毒の症状は、進行度によって第1期から第4期までに分けられます。

第1期(感染から3週間〜3ヶ月後)の症状

感染箇所のしこり
性器などの感染部位に、小豆大くらいのしこりが発生し、しこりの中心部が硬く隆起します。これを初期硬結(しょきこうけつ)と呼びます。基本的には痛みは伴いません。
リンパ節の腫れ
太ももの付け根が腫れます。痛みは伴いません。

これらの症状は、放置していても2〜3週間程度で消失していきます。

第2期(感染から3ヶ月後)の症状

ピンク色の円形のあざ
手足や体、顔などにピンク色の円形のあざが多数できます。薔薇の花びらに似ているため「バラ疹」と呼ばれます。
赤茶色の丘疹
バラ疹が丘疹化したものです。両手足の裏に見られることも多いです。
性器周辺のコブ
ピンク色や薄く灰色がかったコブが、性器や肛門周辺に発生します(扁平コンジローマ)。
喉の腫れ
喉や扁桃が腫れたり、赤くなったりすることがあります。
脱毛
頭や眉などの毛髪が抜け落ちます。まだらに抜ける場合もあれば、広範囲にわたって抜ける場合もあります。

これらの症状は3ヶ月〜3年ほど持続し、自然に消えていきます。そしてしばらく無症状の時期が続きます。

第3期(感染から3年以上)の症状

しこり
皮下組織に大きめのしこりが発生します。「ゴム腫」とも呼ばれます。

第4期(感染から10年以上)の症状

循環器系・神経系障害
心臓血管系や中枢神経系が侵され、歩行麻痺や大動脈瘤などが発生します。最悪の場合、死に至ります。

体の皮膚症状が出る性病:疥癬

疥癬(かいせん)とは、ヒゼンダニの感染による症状です。ヒゼンダニは0.2〜0.4mmほどの小さなダニで、メスは交尾後に人の皮膚の角質層でトンネルを掘り進み、産卵します。卵は1週間ほどで成虫となり、皮膚の上に出て3日ほどで成虫になります。
ほとんどの場合、寝具や衣類の共用によって起こるもので、高齢者やその介護者が感染するケースが多いです。ただし、性行為によっても感染することがあり、性感染は全体の10%ほどの割合を占めます。

疥癬に感染すると、以下のような症状がみられます。

激しいかゆみを伴う赤いブツブツ、しこり
性器だけでなく指の間、内腿、脇の下、おへその周囲など首から下の全身で、皮膚症状が現れます。ブツブツは米粒の半分くらいの大きさです。
ミミズ腫れのような隆起した発疹
疥癬トンネル」と呼ばれるもので、長さは5〜10mmほどでS字状に曲がっています。内部にはヒゼンダニの卵や糞があり、先端にはメスのヒゼンダニが潜んでいます。

おわりに:薔薇のようなあざや丘疹には要注意!

体の皮膚症状を引き起こす性病として特に代表的なのは、梅毒です。梅毒は近年国内で感染者が増加傾向にあり、未治療のままずっと放置していると、命を落とすこともあります。全身に薔薇のようなあざが出たり、丘疹が出たりした場合は、すぐに性病科や専門のクリニックで診察を受けましょう。

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