記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
性病(性感染症:STD)の症状といえば、「性器のかゆみやできもの」「おりものの臭さ」などがパッと思い浮かびますが、全身に皮膚症状が現れることはあるのでしょうか?以降では、体の皮膚症状をもたらす主な性病についてご紹介します。
梅毒とは、梅毒トレポネーマという病原体の感性によって起こる性病の一種です。性行為(セックスやオーラルセックス、オーラルセックス)を通じて、皮膚や粘膜などの小さな傷から病原体が侵入することで感染します。特にアナルセックスでの感染が多いとされ、近年日本国内で、若い女性の感染者が増加傾向にあります。なお、感染者と性行為をした場合、1回で感染する確率は20%以上ともいわれています。
梅毒の症状は、進行度によって第1期から第4期までに分けられます。
これらの症状は、放置していても2〜3週間程度で消失していきます。
これらの症状は3ヶ月〜3年ほど持続し、自然に消えていきます。そしてしばらく無症状の時期が続きます。
疥癬(かいせん)とは、ヒゼンダニの感染による症状です。ヒゼンダニは0.2〜0.4mmほどの小さなダニで、メスは交尾後に人の皮膚の角質層でトンネルを掘り進み、産卵します。卵は1週間ほどで成虫となり、皮膚の上に出て3日ほどで成虫になります。
ほとんどの場合、寝具や衣類の共用によって起こるもので、高齢者やその介護者が感染するケースが多いです。ただし、性行為によっても感染することがあり、性感染は全体の10%ほどの割合を占めます。
疥癬に感染すると、以下のような症状がみられます。
体の皮膚症状を引き起こす性病として特に代表的なのは、梅毒です。梅毒は近年国内で感染者が増加傾向にあり、未治療のままずっと放置していると、命を落とすこともあります。全身に薔薇のようなあざが出たり、丘疹が出たりした場合は、すぐに性病科や専門のクリニックで診察を受けましょう。