記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
C型肝炎ウイルス(HCV)の感染により発症する「C型肝炎」。やがて肝硬変や肝がんにも移行するリスクのある病気ですが、このC型肝炎にはどのように感染するのでしょうか?潜伏期間や感染の予防法と併せて解説します。
C型肝炎ウイルスは、感染者の血液を介して感染しますが、空気感染や経口感染の恐れはないとされています。そのため、握手・抱擁・食器の共用・入用など日常生活で感染することはほとんどありません。
現在の国内の感染者は、輸血や血液製剤、注射針の使いまわしなどが行われていた頃に感染した人達だとされています(1992年以前の輸血、1994年以前のフィブリノゲン製剤、1988年以前の血液凝固製剤などは肝炎ウイルスの確認が不十分だった可能性があります)。ただし、現在の輸血や血液製剤は、厳重な検査が実施されているため、感染する恐れは限りなく低いです。
なお、現在新たにC型肝炎ウイルスに感染する人は、消毒が不十分な器具でのピアスや刺青の穴あけ、覚せい剤などの注射器の使いまわし、不衛生な状態の鍼治療などで感染することが多いとされています。
また、基本的に母子感染の確率は低いですが、会陰切開を行う際に、ウイルスを含む母胎の血液が胎児の眼球結膜やさい帯から体内に侵入すると、感染する恐れがあるため、注意が必要です。
C型肝炎で急性肝炎を起こす確率は低いとされていますが、まれに感染後2~14週間の潜伏期間後に急性肝炎を引き起こすことがあります。
また感染者のほとんどは、感染後に表立って症状が現れない「不顕性感染」とされていますが、そのうちのおよそ60~80%は症状が知らぬうちに進行して「慢性肝炎」になるといわれています。この慢性肝炎患者の30~40%は肝硬変への移行や肝がんの合併が起こる可能性があるため、注意が必要です。
主な症状として
などが起こります。
しかし、自覚症状が出る頃には症状がある程度まで進行している可能性が高いため、すぐに医療機関を受診しましょう。
C型肝炎ウイルスに対するワクチンはないので、感染者の血液に触らないことが大切になります。日常生活の中では、以下のようなことに気を付けましょう。
なお、現在の輸血や血液製剤などはC型肝炎ウイルスの厳しい検査が行われており、感染する恐れは限りなく低いとされています。しかし、100%感染の恐れがないとは言い切れないため、C型ウイルスに感染している可能性がある時には、献血は行わないようにしましょう。
C型肝炎ウイルスの主な感染経路は、血液感染とされています。現在は輸血や血液製剤によって感染してしまうケースはほとんどなくなりましたが、ピアスの穴あけなどで血液に直接触れると、その人がウイルスキャリアだった場合感染する恐れがあります。他人の血液には触れないよう十分気をつけることが、一番の予防策です。