シェーグレン症候群の検査は何科で受けられる?特徴的な症状は?

2018/7/20

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

シェーグレン症候群は、50歳代の女性に好発する自己免疫疾患です。国から難病指定を受ける疾患ですが、シェーグレン症候群に特異的な病態がないため、シェーグレン症候群の診断を受けるためには複数の検査を必要とします。
この記事では、シェーグレン症候群の診断に必要な検査の概要と、何科で受診することができるのか、そしてシェーグレン症候群に特徴的な症状について説明します。

シェーグレン症候群の検査ってどんなことをするの?

シェーグレン症候群の検査は、大きく分けて4つあります。

検査 概要
口腔検査
  • 唾液腺造影…画像によって腺組織の状態を診断する
  • ガムテスト…ガムを10分間噛み、分泌された唾液量を測定する
  • サクソンテスト…ガーゼを2分間口に含み、重さを測定する
  • 唾液腺シンチグラフィー…安全な放射性同位元素を用いた画像検査を行う
眼科検査
  • Schirmer(シルマー)試験…まぶたに試験紙を挟み、5分後に試験紙が濡れた長さを測定する
  • ローズベンガルテスト・蛍光色素試験…染色液を点眼し、障害部位や乾燥部位が染色されるのを確認する
生検病理組織検査
  • 口唇小唾液腺検査…唾液腺の組織を採取し、リンパ球の湿潤状態を調べる
  • 涙腺組織検査…涙腺の組織を採取し、リンパ球の湿潤状態を調べる
血液検査
  • 血液を採取し、自己抗体が検出されるか調べる

シェーグレン症候群で検出される項目は、他の疾患でも検出される項目のため、1つの項目のみで確定診断ができません。そのため、この4つの検査を行い、2つの項目で陽性となればシェーグレン症候群の可能性が高いと診断されます。

ガムテストやサクソンテスト、シルマーテストなどは比較的容易で侵襲性も低いため、よく使用される診断です。また、膠原病との合併が疑われる場合は血液検査を行い、自己抗体に加えて抗核抗体やリウマチ因子などが検出されるかも調べます。

これらの検査に加え、採取した組織を検査して細胞の状態を確認することで、より正確な確定診断を下すことができます。

シェーグレン症候群の検査は何科で受けられるの?

シェーグレン症候群は、口の乾きや目の乾き、頭痛や全身疲労感といった広汎的な症状から発症することが多いため、自覚症状での診断が難しい疾患です。よって、口や目の乾きが症状として現れた場合、眼科や歯科口腔外科を受診しましょう。医師の判断により、シェーグレン症候群の可能性が高いと判断されれば専門的な検査・治療の行える内科に紹介してもらうこともできます。

症状 必要な検査 受診する科
口の渇き・唾液が出ない

舌にひび割れができる

口内が痛む

口腔検査 歯科口腔外科
涙が出ない

目がころころする

目が疲れる・痛みがある

眼科検査 眼科
全身疲労感

関節の痛み

血液検査 リウマチ膠原病内科

全身症状が出ている場合、シェーグレン症候群の全身検査を行うことができるリウマチ膠原病内科を受診することが望ましいです。特に、関節の痛みを伴う場合は関節リウマチとの合併発症も疑われます。

また、やや珍しいケースとして、検診で血液検査を行い、自己抗体である抗SS-A抗体や抗SS-B抗体が陽性と診断され、シェーグレン症候群が発覚することもあります。定期的な血液検査も早期発見には有効です。

シェーグレン症候群の可能性がある症状って?

最後に、シェーグレン症候群の自覚症状についてご紹介します。これらの症状が複数感じられる場合は、早めに医療機関を受信しましょう。

乾燥症状
部位 主な自覚症状
口腔
  • 唾液が出ない・口内が渇く
  • 食べ物がうまく飲み込めない
  • 食べ物の味がよくわからない
  • 舌にひび割れができる
  • 舌がぺらぺらになる
  • 虫歯が増えた
  • 口内が痛む・口角炎が起こる
  • 耳下腺が腫れる(おたふく風邪様)
  • 涙が出ない・目が渇く
  • 目がころころする
  • 目が疲れやすい
  • 目に眩しさを感じる
  • 目に痛みがある
  • 目やにがたまる
  • 物が歪んで見える
鼻が渇く
咳が出る
その他
  • 頭髪が抜けやすい
  • 皮膚がかさつく
  • 関節の痛み
精神・神経症状
部位 主な自覚症状
  • 頭痛
  • めまい
神経症状
  • 集中力低下
  • 疲れやすい
  • 全身疲労感
精神
  • 抑うつ状態
  • 気分がころころ変わる
その他の症状
部位 主な自覚症状
萎縮性胃炎
手指 レイノー現象
性交時不快感

口腔乾燥では、耳下腺・顎下腺・舌下腺に加え、口内の小唾液腺が攻撃されることで起こるため、おたふく風邪様の耳下腺の腫れが起こる場合があります。耳下腺の腫れはおたふく風邪由来のものであれば一度かかったら二度とかかりませんが、シェーグレン症候群由来のものは2〜3ヶ月から2〜3年の周期で腫れを繰り返します。

ドライアイは涙腺の働きが弱まることで起こります。通常、角膜の外側は涙の膜で保護されており、角膜が外気にさらされて傷つくことを防いでいます。ところが、シェーグレン症候群で涙腺が傷害されて涙の量が減ると、涙の膜がすぐに破れてしまい、角膜が外気にさらされて傷つきやすくなります。

また、シェーグレン症候群で咳が出る場合は気管粘膜の乾燥である場合がほとんどですが、約10%の罹患者で間質性肺炎を合併発症していることがあります。この場合も早めの受診が必要です。

おわりに:シェーグレン症候群の検査はまず症状に沿った専門医へ

シェーグレン症候群の症状は非常に多彩で、また他の疾患とも見分けがつきにくいものです。もともとシェーグレン症候群の可能性が高い場合はリウマチ膠原病内科など、全身検査が行える病院へ行くことが望ましいですが、症状が口や目に限定されている場合、まずは口腔外科や眼科など、症状別の専門医に相談しましょう。

また、シェーグレン症候群は加齢による現象と混同しやすい症状も多く含まれています。自己判断に頼らず、医師の診断を仰ぎましょう。

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