記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/10 記事改定日: 2019/9/19
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
過度の飲酒は肝臓に負担がかかったり、二日酔いのもととなったりとさまざまなデメリットがあります。では逆に、禁酒をするとどんな効果が得られるのでしょうか?女性にとっては特に気になる、美容面の効果を中心にお伝えしていきます。
ビールや日本酒など、糖質が多いお酒と一緒にご飯を食べると、どうしても太りやすくなります。また、お酒を飲むと、満腹中枢や味覚を鈍らせる作用もあるといわれています。飲み会でうっかり食べ過ぎたり、味の濃いおつまみを選びやすいのは、これが原因です。
禁酒をすればお酒の分のカロリーが減り、食欲も正常に感知できるようになるため、ダイエットを進めやすくなります。
習慣的な飲酒は肌の水分を奪うため、乾燥肌や肌の炎症、赤ら顔の原因となる可能性があります。また、飲酒によって睡眠の質も下がるため、ニキビなどの吹き出物や毛穴の開き、クマといった肌トラブルも起こりやすくなります。
禁酒するとこれらの肌トラブルが減少したり、化粧のノリが良くなったりなど、美肌効果を実感できる可能性があります。
アルコールは乳がんの発症リスクを高める可能性があるといわれています。このことに関しては国内外でさまざまな研究が行われましたが、いずれの研究でも、お酒を飲まない人に比べて飲む人の方が発症リスクは高いという結果が出ています。そして、飲酒量が多ければ多いほど、乳がんの発症リスクは高くなるという結果も出ています。
国内で行われた40~69歳の女性約5万人を対象とした研究によれば、「エタノール換算で週に150g以上多く飲酒する女性は、お酒を飲んだことのない女性と比べ、乳がんリスクが1.75倍だった」とのことです。なお、エタノール換算での150gとは、日本酒でいうとおよそ7合、ビールなら大瓶約7本、ワイン約14杯、ウイスキーならダブル約7杯に相当します。
飲酒が乳がんのリスクを高めるはっきりとした原因は明らかになっていませんが、アルコールが分解される際に発生するアセトアルデヒドの持つ発がん性や、アセトアルデヒドによる葉酸の破壊(葉酸はDNAの合成や修復に欠かせないものです)、女性ホルモンへの影響などが関連しているのではと考えられています。
禁酒すると、太りにくくなったり、肌もきれいになったりするだけでなく、乳がんの発症リスクを下げられる可能性があります。
いきなり禁酒は難しいという方は、まずは飲酒量を控えたり、休肝日を設けたりすることから始めてみましょう。