記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
アナフィラキシーの症状が出た場合、応急処置として自己注射をすることがありますが、自己注射をして症状がおさまれば病院に行く必要はないのでしょうか?注意点について解説します。
蜂に刺されたことが原因でアナフィラキシーが起きた場合、蜂の毒針を、自分で取り除けるようであれば速やかに取り除きましょう。ただし、無理に取り除こうとしたりつまんだりすると、逆に毒や毒針が体内に入ってしまう場合があるので、すぐに近くにある医療機関を受診し、適切な処置を受けましょう。
また食べ物が原因の場合は、アレルゲンとなる食物を口から出し、しっかりと水でゆすぎましょう。食物が体や手に付着している場合も、流水でよくすすいでください。
アドレナリン自己注射薬を患者自身で投与することが難しい場合は、保護者・救急救命士・教職員・保育士などの注射が認められている人が代わりに投与を行いましょう。
なお、突然の事態に慌てないよう、事前に自己注射薬の使用法やタイミングなどを確認しておくことが大切です。
仰向けに寝かせて、足を15~30cmほど高くするショック体位をとりましょう。また、嘔吐物が喉に詰まるのを防ぐため、顔は横向きにしてください。
なお、アドレナリン自己注射薬の投与で一時的に症状が治まったように見えても、再び症状が起こることもあるため、しばらくの間は安静にして様子を見ましょう。
エピペン®はあくまでアナフィラキシーが起きたときの応急処置として使用するものなので、注射後は医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。病院についたら、使用済みのエピペン®と安全キャップを医師に渡しましょう。
また、エピペン®の有効時間は10~20分間ですが、アナフィラキシー症状は人により違うため必ずしも効果が現れるとは限りません。ときにはアレルゲンとの接触から数時間後に症状が現れることもあることは理解しておきましょう。
なお、もしも誤ってエピペン®を投与してしまった場合はすぐに医師に相談してください。
アナフィラキシーは一時的に症状がおさまったように見えても、数時間後に症状がぶり返すことがあるので、注意が必要です。そのためにも、アナフィラキシーが起きたら必ず医療機関で診てもらうようにしましょう。
また、アナフィラキシー様反応と呼ばれる、免疫機能以外の原因によりアナフィラキシーに似た症状が起こることもあるので、原因を特定するためにもアナフィラキシーと思われる症状が出たときは受診が必要です。
アナフィラキシーの初期症状の治療後は、入院をして経過観察を行います。治療方法には主に以下のものがあります。
アナフィラキシーの治療ではまず、アレルゲンとなる蜂の毒針や食物を取り除き、エピペン®を所持している場合は投与することが必要です。ただし、エピペン®はあくまでアナフィラキシーが起きた時の応急処置として使用するものなので、注射後は医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。