記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/7/11
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
がんになると、がんそのものへのストレスや痛み・治療の副作用などによって、食欲が減退したり、口内炎のために食べることが辛くなることも少なくありません。
そこで今回は、がんで食欲がない場合の食事について有効な対策やおすすめのレシピをご紹介していきます。
治療後の身体の回復のためにも、身体に必要な栄養素を食事からとることは大切です。
しかし、回復を焦るあまり食べたくない食事を無理して食べていると、食事を摂ること自体が苦痛になってしまいかねません。
がんの治療で食欲がないときは、いつもより時間がかかっても、量が少なくなってもいいので、食べたい時間に食べたいものを、食べたいだけ食べてください。
無理に栄養のあるものを選んで食べようとせず、本人が食事を「おいしい」と感じられる範囲で食べればOK、と覚えておきましょう。
どうしても食欲がなくて何を食べてもおいしくない、ほとんど食べられず体重が減ってきたという場合は、食べやすく高カロリーな食品に変えてみましょう。たとえば、とろみがあって糖分豊富・高カロリーなジャムやはちみつなどは、噛む必要もなく飲み込みやすいのでおすすめです。
他にも1度の食事量を少なくして、味付けや盛り付けを変えてみるのも効果的です。小さな器に少しずつ盛り付けて見た目を良くし、塩分と糖分補給のために味付けを少し濃くしたおにぎりやおかずを、すぐ食べられるよう作り置きしておくと良いでしょう。
ここからは、どうしても食事が摂りにくいときに試してほしいおすすめレシピを「食が進まないとき」「少しでも栄養が摂れる」のシーン別に、2つずつご紹介します。
どうしても食欲がなくて困ったとき、試してみてください。
口内炎や吐き気、食欲不振のためどうしても口から食事が食べられないというときは、以下の2つの方法で栄養を摂取することが可能です。
鼻・胃・腸に直接管を挿入して栄養剤を注入し、口以外の器官を使って栄養を摂取・消化させる方法です。
管の衛生管理の徹底や、栄養剤の温度や流し込む速度のコツをつかむ必要がありますが、慣れてくれば在宅で、患者の家族が行うこともできます。
首や鎖骨など太い静脈に点滴の管を挿入し、高カロリーな点滴を行うことで栄養や水分を補給する方法です。
こちらも口の乾燥・口内炎の予防や、点滴用の管の衛生面に気を付ける必要がありますが、退院して在宅で受けることが可能です。
口から食事で栄養を摂ることが最も望ましいですが、どうしても無理なら他にも方法はあります。医師と一緒に負担が少なく栄養摂取できる方法を探してみましょう。
がんからの回復に十分な栄養摂取は欠かせませんが、病気や治療の副作用のために、食事による栄養摂取が難しくなる患者は多いです。本人に無理のない範囲で食事を続けることが望ましいですが、どうしても難しいようなら、経管栄養や中心静脈栄養など他の方法もあります。無理してまで食事にこだわらず、負担の少ない方法がないか医師に相談してみましょう。