がんとはどういうもの? ― 特徴や予防のポイントを解説!

2018/7/12

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

がんという病気・病名を耳にする機会は多いけれど、具体的にどんな病気なのかを知らない方も多いでしょう。今回はよく耳にする「がん」がどのような病気なのか、がんの種類、さらに予防法についてご紹介していきます。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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そもそも「がん」ってどういうもの?

正常な細胞は必要なときに増殖をして、不要なときに増殖をとめています。しかし、何らかの理由で正常な細胞の遺伝子に傷がつくと、異常な細胞(がん細胞)ができます。がん細胞には勝手に増殖するという特徴があり、何年も増殖が続くことで「がん」となるのです。

それでは、がんの特徴についてより詳しく見ていきましょう。

誰にでも発症する可能性がある

がんは誰にでも発症する可能性があります。その罹患リスクは男性が62%、女性が46%とされており、2人に1人の割合で発症する可能性があります。また、死亡リスクは男性が25%、女性が16%とされていて、4~6人に1人ががんで亡くなる可能性があるのです。

100%予防することはできない

今のところがんを完璧に予防する方法はありません。ただし、がんの発生に関係している要因がわかってきているため、生活習慣の改善などによって「がんになりにくくする」ことはできます。後ほど、がんを予防するための注意点を説明するのでそちらもご覧ください。

他人に感染することはない

がんは遺伝子が傷つく病気なので、人から人に感染することはありません。しかし、がんの発生に「ウイルス感染」が関係している場合もあるため、そのウイルスが感染する恐れはあります。ですが、がん自体は広がらないので、他の方とも一緒に生活を送ることができます。

がんには種類があるの?

がんと聞くと、肺がんや胃がん、大腸がん、乳がんなどをイメージするかと思います。ただ、がんは全身のどこにでも発生する可能性があり、その発生した部位によって大きく3種類に分けられます。

上皮細胞から発生するがん
肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんなど
造血器(骨髄やリンパ節など)から発生するがん
白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫など
非上皮性細胞から発生する肉腫
骨肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、血管肉腫など

このうち最も発生頻度が多いのが「上皮細胞から発生するがん」で、全体の80%以上を占めています。さらにこの中では胃、大腸、肺、乳房、前立腺の順に罹患数が多いです。これらはがん検診などで調べることもできるので、定期的に検査を受けて早期発見に努めることが大切だといえるでしょう。

がんになりたくない!どんなことに気をつければいい?

先述のとおり、現時点ではがんを100%予防することはできません。ただ、がんの発生には喫煙、ウイルス感染、ストレス、食生活などが関係しているとわかっています。そのため、日常生活に気をつけることで「がんになりにくい身体」を作ることはできます。その予防法については、がん研究振興財団が「がんを防ぐための新12か条」として公表しています。

がんを防ぐための新12か条とは?

「がんを防ぐための新12か条」とは、日本人を対象にした疫学調査などの研究結果に基づいて、がんの予防が期待できる行為をまとめたものです。その12か条は以下の通りです。

  1. たばこを吸わない
  2. できるだけ受動喫煙を避ける
  3. お酒はほどほどにする
  4. バランスの取れた食事にする
  5. 塩辛い食品を控える
  6. 野菜や果物を不足しないようにする
  7. 適度に運動をする
  8. 適切な体重を維持する
  9. ウイルスや細菌の感染予防と治療に努める
  10. 定期的にがん検診を受ける
  11. 身体の異常に気づいたら、すぐに医療機関を受診する
  12. 正しいがん情報でがんを知るように努める

このように禁煙をはじめ、食事や運動といった生活習慣を見直すことでがんを予防できる可能性が高くなるのです。実際、国立がん研究センターの調査によれば、禁煙、禁酒、食生活、運動、適正体重の維持に気をつけた場合、男性で43%、女性で37%もがんの罹患率が低くなるということがわかっています。

おわりに:生活習慣の改善で、がんの発症リスクを下げよう

現在、日本人の死因で最も多い病気が「がん」です。ただ、がんは予防が期待できる病気なので、まずは日々の生活習慣を見直すことが大切だといえます。また、早期発見すれば治療できる可能性もあるので、定期的にがん検診を受けるようにしましょう。

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