記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/7/17
記事監修医師
前田 裕斗 先生
乳がんの「再発」とは、どういう状態を意味するのでしょうか。また、再発してしまった場合、どのように治療をしていくことになるのでしょうか。早期発見のために知っておきたい、再発時の症状と併せてお伝えしていきます。
がんの再発とは、ある程度の大きさのあったがんが手術や薬物治療によりなくなった後、再び現れる状態のことです。乳がんの再発は術後3年以内に起こることが多いですが、5~10年後に再発するケースもあるとされています。
他のサブタイプと比較すると、5年以内の遠隔再発率が低いとされています。
ルミナルA型と比較すると、リンパ節転移の有無に関係なく再発率が高いとされています。
以下のような再発は部分的に症状が起こっている可能性があり、遠隔臓器への再発とは治療方法が異なるため区別されています。
局所再発では、乳房温存手術を受けた後の乳房や乳房切除後の胸の皮膚、手術を受けた方のわきの下、乳房付近のリンパ節などに主に発生します。
自覚症状として、皮膚の赤みや皮下のしこりなどが起こることがあります。
温存乳房内再発とは、乳房温存術後に残した乳房に再発した状態のことで、乳房温存術後に放射線療法を行った場合でも、10年間のうちに7%ほどの確率で再発するとされています。温存乳房内再発を早期発見するためには、定期的に検査を受けることが大切です(自己検診でしこりが見つかることもあります)。
治療ではまず、乳がんの広がりを確認するための検査(マンモグラフィ、超音波、MRIなどの画像検査)を行い、再発前に残した乳房の残りの部分(乳房全体)を切除します。
ただし、再発に至るまでの期間が短い場合は、がん細胞が全身に広がっている恐れがあるため、手術や放射線療法を行う前に薬物療法を行うことがあります。
乳房切除術後に胸壁やリンパ節に再発した場合も、まずは薬物療法が基本となり、必要に応じて以下のような治療が行われます。
乳がんの再発は、術後3年以内に起こることが多いとされています。再発の部位や状態によって治療法は異なりますが、治療効果を上げるには早期発見が重要です。乳がんの治療後も、胸のしこりなどが出ていないかセルフチェックする習慣をつけましょう。