嘔吐物の正しい処理方法って?布団やカーペットはどうすればいい?

2018/7/27 記事改定日: 2019/7/16
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

ノロウイルスの感染者などは嘔吐することがありますが、このときの嘔吐物の正しい処理方法はご存知でしょうか?二次感染を防ぐために、ぜひ覚えておきましょう。

嘔吐物を処理するために必要なものは?

感染性胃腸炎やノロウイルスにかかっている人の嘔吐物や便には、大量のウイルスが含まれています。嘔吐物などに含まれたウイルスは広範囲にわたって飛散するので、慌てて雑に処理せず、慎重な清掃と消毒を心がけましょう。

用意するもの

まず、自分がウイルスに感染しないように

  • マスク
  • 使い捨て手袋
  • 使い捨てエプロン

を着けましょう。手袋はできれば二重にしてください。
拭き取り消毒には以下のものが必要になります。

  • ペーパータオル
  • 新聞紙
  • バケツ
  • ビニール袋
  • 消毒剤(消毒用の次亜塩素酸ナトリウム)

消毒用の次亜塩素酸ナトリウムはインターネットや薬局で購入できますし、キッチンハイター®などの台所用塩素系漂白剤を使って作ることができます。
ペットボトルのキャップ2杯の塩素系漂白剤を、500mlの水で薄めて0.1%する

消毒や拭き取りのための消毒濃度は200ppm以上ですが、嘔吐物などがついてしまった衣服を消毒するために浸す消毒液の濃度は1000ppm以上です。お手持ちの製品の塩素濃度を確認してから、用途によって消毒濃度を調節しましょう。

以下で紹介する嘔吐物が付着した床などの処理方法では、200ppm以上のものを使っていきます。

嘔吐物はどうやって処理するの?

準備が整ったら、嘔吐物の処理中は周りに人が近づかないようにしてください。

  1. 嘔吐物に新聞紙をかぶせ、嘔吐物と同量の次亜塩素ナトリウムを静かに注いぐ
    勢いよく注ぐと嘔吐物を飛散させてしまうので注意
  2. 注いだ後、嘔吐物が広がらないように外側から清潔なペーパータオルで拭き取る
    • 同一面で拭き取り続けていくと汚染を広げてしまうので、こまめに取り換えながら拭く
    • 取ったペーパータオルは次亜塩素ナトリウムを入れたビニール袋の中に捨てる
    • 二重にした手袋の外側も一緒に捨てる
  3. 拭き取りが終わったら、汚れている床の上にペーパータオルを置く
  4. ペーパータオルの上に次亜塩素ナトリウムをかけ、10分ほど浸しておく
  5. 汚れを広げないように清潔なペーパータオルで拭き取る
  6. 十分に水拭きする

処理に使ったマスク、手袋、エプロン、拭き取りに使った新聞紙やペーパータオルは一つのビニール袋にまとめて口の部分をしっかりと締め、もう一枚ビニール袋を重ねてしっかりと口を締めてから捨てましょう

また、拭き取っている間は部屋を換気し、処理が終わったあとは手洗いとうがいを忘れないでください。

処理が不十分なまま嘔吐物が乾燥してしまうと、粉塵となって空気中にウイルスが飛散します。手早くやらなくてはいけませんが、拭き取り忘れなどがないように細心の注意を払いましょう。

布団やカーペットの処理の方法は?

ノロウイルスは通常のアルコール消毒が効かず、ハイターなどの次亜塩素酸ナトリウムで消毒するのが一般的です。
しかし、次亜塩素酸ナトリウムは薄めて使用しても手荒れなどを引き起こし、金属などに用いると劣化する恐れがあります。

また、衣類などは次亜塩素酸ナトリウムに漬け置きして消毒することができますが、布団やカーペットなどに嘔吐した場合は次亜塩素酸ナトリウムに漬け置きすることはできません。布団やカーペットを消毒するときには次のような方法をとりましょう。

布団

ノロウイルスは熱に弱いです自宅で洗濯・乾燥できる布団であれば吐物をきれいに取り除いてから洗濯し、乾燥機で十分に乾かせば消毒することができます。しかし、羽毛布団など自宅で洗濯・乾燥できないタイプのものはクリーニング業者に消毒を依頼するようにしましょう。

カーペット

カーペットに嘔吐した場合は、吐物をきれいに取り除いて家庭用のスチームアイロンで汚れた部位を十分に熱すれば消毒できます。ただし、広範囲にわたって吐物が飛び散った場合はアイロンだけで消毒するのは困難なため、布団と同じくクリーニング業者に依頼することをおすすめします。

おわりに:嘔吐物の処理は拭き取りだけではダメ。正しい消毒方法を覚えておこう

嘔吐物をただ拭き取るだけでは、ウイルスは退治できません。きちんと消毒しなければ、感染を広げてしまう可能性があります。
嘔吐物の正しい処理方法を覚えておき、周囲の床や壁だけでなく、衣服や布団、カーペットもきちんと処理をするようにしましょう。

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