テニス肘で手術しなきゃいけないのはどんなとき?

2018/7/25

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

テニス肘の発症者の9割は、ストレッチや筋力トレーニングなどの保存療法で治療することができます。ところが、1割程度の人はこの保存療法で回復せず、手術療法が必要になることがあります。
この記事では、手術療法が必要になるテニス肘とは?入院期間は?手術ではどんなことをするの?など、テニス肘の手術に関する情報をご紹介します。

テニス肘で手術が必要なのはどんなとき?

テニス肘で手術が必要になるのは、保存療法で回復しないときです。テニス肘を発症した方の9割は、サポーターや運動療法、理学療法や薬物療法などを併用する保存療法を用いて、6ヶ月〜1年程度で回復することができます。

ところが、1割の方は6ヶ月〜1年程度の保存療法を経ても回復せず、難治性テニス肘と呼ばれます。肘の炎症が慢性化している場合や、腱の断裂を起こしている場合で、保存療法では回復の見込みがないため、手術療法が適用となります。

難治性テニス肘が疑われる場合、まずMRIで炎症部位や断裂部位を確認します。特に、腱が断裂している場合、そのままでは骨にぶつかって痛みが続くため、疾患部位を手術で切除または削る処置が行われます。

通常のテニス肘と難治性テニス肘は違う?

難治性テニス肘では、痛みの生じている場所に血管と神経が異常に増加している場合があります。この異常に増加した神経が痛みの原因となっている場合、やはり保存療法では回復の見込みがないため、疾患部位を切除する手術療法が適用となります。

テニス肘の手術って、入院期間はどのくらい?

テニス肘の手術に伴う入院は、概ね以下のようなスケジュールで行われます。

入院期間
2泊3日〜4泊5日程度
手術時間
約1時間程度
手術後の回復期間
麻酔から覚めるのが早ければ約3時間で歩行、食事も可能

テニス肘の手術の多くは、手術前日に入院し、翌1日かけて手術から回復を行い、手術翌日に退院するというスケジュールで行われます。手術後の回復期間、リハビリテーションの期間を長めに設けている病院もあります。手術時間は30分〜約1時間程度と短いですが、全身麻酔をかけて手術を行うため、麻酔から覚める時間が必要となり、回復に少し時間を要します。

術後はギプスや三角巾などで1〜2週間程度固定しておきます。その後、必要に応じ、リハビリテーションを行います。また、重労働や激しいスポーツは最低でも1ヶ月は経過してから、痛みの程度に応じ主治医の判断で徐々に許可していくことになります。

テニス肘の手術ではどんなことをするの?

テニス肘の手術は大きく分けて2種類の方法があります。

関節鏡視下手術
  • 数ミリ程度のごく小さい関節鏡を患部に挿入し、疾患部位を切除する
  • 体に負担の少ない低侵襲な治療が行える
直視下手術
  • 直接患部を切開し、疾患部位を切除する
  • 視認性が高く、該当疾患以外にも疾患があった場合に発見しやすい

関節鏡視下手術は、患部に数ミリ程度のごく小さな穴を空け、そこに細い関節鏡を通して炎症の原因となる組織や変性部位を切除する方法です。体への負担の少ない低侵襲な治療が行えるだけでなく、術後の傷も小さく済むため、最も多く採用されている術式です。

直視下手術では、患部を直接切開し、炎症の原因となる組織や変性部位を切除します。関節鏡視下手術と比べて傷は大きくなりますが、テニス肘以外にも関節部分に疾患がある場合、同時に治療することができるため、テニス肘以外にも合併して発症している疾患が疑われる場合はこちらの方法が採用される場合もあります。

鏡視下、直視下ともに全身麻酔を用いて行うことが多く、また、8割以上の方で症状改善が認められています。

おわりに:なかなか治らないテニス肘には手術の検討を

テニス肘は保存療法で治らない場合や、慢性化してしまう場合があり、こうした場合には手術療法での治療が有効です。具体的には、6ヶ月〜1年ほど保存療法を行っていても回復の見込みがない場合は、主治医と相談して手術療法を検討するのが良いでしょう。

手術療法も、現在は低侵襲な関節鏡視下手術が一般的です。不安な場合は、ぜひ一度専門医に相談してみましょう。

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