記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/2
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手洗いやうがいなど、病気から身を守るための予防をしていますか?予防のなかでもつい見落としがちなのが、「尿路」です。体の中で作られた尿が、体外に出るまでの通り道を尿路と呼びますが、「尿路感染症」と呼ばれる病気にかかる子供は多いのです。
この記事で尿路感染症の予防方法を紹介するので、参考にしてください。
尿路感染症の多くは、おしっこの出口である尿道口から、細菌が体内に侵入することが主な原因です。細菌に感染すると、体内で炎症が引き起こされます。膀胱が感染したものを「膀胱炎」、さらに腎臓まで進んだものを「腎盂腎炎」と呼び、突然の高熱や嘔吐といった症状が見られます。
一般的に、1歳までの子供は大人よりも尿路感染症にかかりやすいといわれています。
小さな子供は体の不調を感じていても、それをうまく伝えられないものです。生後3か月未満の乳児の発熱の原因が、尿路感染症によるものだったというケースも珍しくありません。保護者など、周囲の大人がいち早く変化に気づいてあげる必要があります。
尿路感染症が疑われる兆候を以下にまとめましたので、子供の様子を見るときの参考にしてみてください。
学童以上の子供では、トイレが近い、排尿時の痛みが強い、血尿といった症状が見られます。子供から不調のサインが見えたときは、病院を受診しましょう。
膀胱炎であれば数日間の抗生物質の服用で治癒しますが、腎盂腎炎を発症してしまうと2週間ほど抗生物質を服用が必要になることもあり、乳幼児などの小さい子供の場合は入院治療が必要になることもあります。
腎盂腎炎まで悪化させないためにも、ちょっとした変化も見逃さないように注意しましょう。
尿路感染症を防ぐために、日常生活でできることを紹介します。
尿路感染症は大人も子供も、誰でもかかりうる病気です。発熱以外の症状になかなか気づきにくいため、重症化するケースがある点に注意しましょう。特に小さなお子さんがいる家庭では、子供の様子が「おかしいな」と思ったら、病院で尿検査を受診することをおすすめします。また、水分を摂取する、トイレを我慢しないなど、今日からできる予防法を日常生活に取り入れましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。