腟カンジダの再発治療薬　エンぺシドＬの魅力を佐藤製薬さんに突撃インタビュー！

インタビューの経緯

―腟カンジダの再発治療薬について、インタビューを受けることにした理由は2つあるそうです。

ひとつは、腟カンジダという病気を多くの方に知って欲しいこと。腟カンジダの原因菌であるカンジダ菌は、誰の体にもすみついている常在菌です。体調がよいときは、デーデルライン桿菌のおかげで腟内にカンジダ菌が入っても症状が出ませんが、疲れやストレスがたまったり、湿度が高くなる夏場になるとカンジダ菌が一気に繁殖しやすくなります。つまり、腟カンジダは性病ではなく、風邪のように誰もが発症する病気である、ということ。まずはそのことを知っていただきたいと考えました。

もうひとつは、腟カンジダの再発治療薬があることを知って欲しいということです。私どもは「再発であれば腟カンジダは病院に行かなくても治療できる」ことをもっと啓発しなくては！　と考えました。

エンペシド®Lの特徴、他社製品との違い

―現在、いくつかの製薬会社で腟カンジダの再発治療薬を販売しています。エンペシド®Lにはどのような特徴があるのでしょうか。

私どもは、バイエル薬品さんの「エンペシド®（EMPECID®）」という医療用医薬品をOTC医薬品として「エンぺシド®L」というブランド名で販売しています。

バイエル薬品さんの「エンペシド®」は、他社の製品とは異なり、世界的なブランドです。「エンペシド®」は「カネステン®（Canesten®）」というブランド名で、欧米や南米を中心に、およそ30数カ国で販売しています。

「エンペシド®L」の2つの特徴

エンペシド®L（腟錠）は、腟カンジダの再発治療薬で、腟の中の原因菌に効果がある腟錠（腟に挿入する薬）です。第1類医薬品なので、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで買うことができます。

エンペシド®Lが他社の製品と大きく異なるのは、以下の2点だと考えています。

①カンジダ菌にすぐれた効果が期待できる「クロトリマゾール」を配合している

エンペシド®Lは、カンジダ菌（カンジダアルビカンス）にすぐれた効果を発揮する「クロトリマゾール」を配合しています。クロトリマゾールは、カンジダアルビカンスに対して高い抗菌作用を示す成分で、MIC（最小発育阻止濃度［μg/mL］）が一番低いものです。

②発泡錠である

エンペシド®Lは、水分によってすみやかに発泡しながら崩壊する発泡タイプの薬です。このため、腟内に有効成分がすみやかに広がって有効成分がしっかり届きます。

発泡錠であることはパッケージのイラストでも紹介していますが、これだけではイメージが沸かないですよね。そこで、弊社のWEBサイトでどのように発泡するかを動画で紹介しています。

▼すみやかに崩壊する発泡錠

腟カンジダを周知させるためのマーケティング

―腟カンジダの市販薬は、以前腟カンジダになったことがある人しか利用できません。また、第一類医薬品なので、薬剤師がいるお店でしか購入できないという事情もあります。このような制約があると、女性に知っていただくこと、そして、手にとっていただくのは難しいのではないでしょうか。

佐藤製薬でも、当初はそのように考えていたそうですが、調査してみると意外な事実が明らかになったそうです。

いろいろと調査してみたら、腟カンジダを患っている方や、腟カンジダが疑われる症状をお持ちの方は意外と多いことがわかりました。このため、継続的に情報発信すれば認知度が上がるのではないかと考えたのです。

腟カンジダの治療薬へのニーズはまだ掘り起こせる

1,500人ぐらいの女性を対象とした調査では、腟カンジダを知っているかどうかに関係なく、自分が腟カンジダを発症していることに気づいていた方はごくわずかしかいなかったこともわかりました。日本の女性は症状があっても気づかないか、症状を我慢している可能性が高いのかもしれません。

ここから、もう少し日本の市場を啓発しつつ、腟カンジダの症状に気づかない方々にもこの病気や薬のことを知っていただく必要があるのではないか、という結論に達しました。

積極的なプロモーション活動をスタート

―佐藤製薬では、腟カンジダという病気のこと、そして、再発した場合は病院に行かなくても、市販薬で治療できることを知っていただくために、2017年8月から大規模なプロモーション活動をスタートさせました。プロモーション活動は限られた予算の中で行ったそうなのですが、具体的にどんなことをされたのでしょうか。

腟カンジダを再発させた方なら、病院に行かなくても市販の薬で治療できることを知っていただくために、どのように発信していくのがいいかを検討しました。その結果、テレビCMを放映すること、そしてWEBサイトでの情報発信を強化することにしました。

（１）テレビCM放映

CMは、「こんな薬ができました！」ではなく、「腟カンジダという病気を知っていますか？」から始めたいと考えました。そこで、自分が腟カンジタになった、というストーリーで制作しています。登場人物が腟カンジダであることを前提としたCMだったので、制作にはかなり苦労したのですが、結果的によいCMができたと自負しています。

個人的な感覚になりますが、腟カンジダのCMを目にする機会が増えてきているように思います。CMのおかげで、腟カンジダでも再発の場合は病院に行かなくても治療できる、という認知度が高まったのではないでしょうか。

CMのおかげで認知度は広がっています。ただ、私どもは既に腟カンジダになったことがある人にだけこの病気を知っていただければいい、とは思っていません。誰もが腟カンジダになる可能性があることを認識していただくこと、そして、気になる症状が出たときは病院で診てもらうことを伝えたいのです。そうすれば、万が一再発してしまったときに市販薬で治療できますから。ただ、これだけのメッセージをCMで伝えるのは難しいんです。

（２）WEBサイトで積極的に情報発信

WEBサイトでは、腟カンジダがどんな病気かを知っていただくためのコンテンツを公開しています。

①腟カンジダをテーマにした漫画

実は弊社のWEBサイトでも漫画を連載しています。漫画だと気軽に読んでいただけるのか、どちらも好評をいただいています。

▼月室キャンディーダちゃん

https://www.empecid.jp/special/

▼ひとりで、できる

https://www.empecid.jp/special/comic/

②薬局・ドラッグストアのオンラインショップおよび店舗検索ページも展開

エンペシド®Lは腟カンジダを再発させた方でないとお使いいただけない薬です。このため、まずは腟カンジダを再発させたかどうかをチェックするページを作成することにしました。

▼かゆみ＆おりものAdviser
https://www.empecid.jp/adviser/

また、このページでチェックした後にすぐお求めいただけるよう、ドラッグストアのオンラインショップにアクセスできるページも用意しています。このページから購入できるのは腟剤タイプの「エンペシド®L（腟錠）」だけなのですが、ここから購入される方も多いんですよ。

▼WEBでご購入
https://www.empecid.jp/purchase/web_purchase.php

もちろん、薬局やドラッグストアで購入したい方のために、店舗検索できるページも作成しました。このページを見ていただくと、自分がいる場所から一番近いお店が地図で表示されるんです。

▼取り扱い店舗検索
https://www.empecid.jp/search/

エンペシド®Lは薬剤師がいる店舗でないと購入できないので、確実にお求めいただくには念のため電話をかけていただくことをおすすめしています。ただ、このページに表示される店舗に行っていただければ、ほぼ確実にエンペシド®Lをお求めいただけます。

―デリケートな病気だからこそ、細やかに配慮しながらテレビやインターネットで情報発信されたことが伝わってきます。そのおかげもあって、現在では腟カンジダ再発治療薬でトップのシェアになったようです。

佐藤製薬のミッション

いちばんのミッションは、「腟カンジダは恥ずかしい病気である」というイメージを一掃することです。

腟カンジダの原因であるカンジダ菌は、常在菌です。恥ずかしい病気ではないし、性病でもない。腟カンジダが風邪を引いたのと同じぐらいの感覚で受け止められるよう、イメージを変えていきたいと考えています。

そうすれば、再発の場合は病院へ行くことも、友達や母娘で話すことも恥ずかしくなくなりますよね。いつか、食事中に「わたし、腟カンジダになっちゃって」という話題が出ても違和感がないくらいになってほしいと思います。

おわりに

腟カンジダは高温多湿を好むため、梅雨の時期から夏場にかけて発症する方が多いそうです。また、年末も疲れやストレスがたまるせいか、発症する方が多いとか。もし、初めてデリケートな部分のかゆみがひどかったり、おりものの変化が気になったときは、まずは病院で診てもらいましょう。また、腟カンジダを再発しちゃったかも！　と思った方は、佐藤製薬のWEBサイトで症状をチェックしてから、エンペシド®Lを購入してみてくださいね。