過労死の死因とは? 残業時間がどれくらいになったら危険?

2018/8/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

諸外国と比べ、過労死発生率が非常に高いとされる日本。度々ニュースでも取り上げられる問題ですが、残業時間がどれくらいを超えると危険なのでしょうか。また、過労死の死因とは何なのでしょうか。

過労死の原因、死因とは?

過労死の原因は、過度の長時間労働や残業、休日がない状態での連続勤務などです。勤務環境が改善されないために、心身ともに疲労が溜まることで死に至ります。
過労死には下記の2つのケースがあり、それぞれで死因は異なります。

過労死
長時間労働の過労によって脳や心臓に重い負担がかかり、心筋梗塞やくも膜下出血を起こして死亡するケース。
過労自殺
長時間労働によって心理的に重い負担がかかり、うつ病などの精神障害を発症し、自殺してしまうケース。

過労の死因の中で最も多いとされるのが、心不全や狭心症などの心疾患、脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管系疾患です。過度の疲労やストレスによって自律神経が正常に機能しなくなり、血圧が上昇したことでこれらの疾患を引き起こすと考えられます。

また、過労自殺のほか、睡眠不足が原因による事故も、過労死の死因として多いものの一つです。長時間労働によって睡眠不足の状態が続くと、運転時に正常な判断ができずに事故を起こしてしまう可能性が高くなります。

過労死ラインとは?残業時間がどれくらいになったら危険?

現在の労働行政では、過労死ライン(健康障害のリスクが高まる時間外労働の時間)は80時間と定められています。月20日出勤の場合、1日4時間以上の残業・12時間労働をしている人はこれに該当します。これは、2〜6ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働をしている場合、健康障害の発症との因果関係を認めやすいことから一つの目安になっています。

また、健康障害の発症1ヶ月前に100時間(月20日出勤の場合、1日5時間以上の残業・13時間労働)を超える時間外労働をしている場合も、因果関係が認めやすいとされています。

ただ、これはあくまで目安です。一般的には6ヶ月を平均して45時間以上の時間外労働が行われていた場合、健康障害と業務の関連性は強まっていき、これを超えて期間外労働が長くなるにつれ、因果関係はより強まっていくと考えられています。

おわりに:時間外労働が一定時間を超過している場合は、公的機関に相談を

過労死の死因の多くは、長時間労働の疲労からくる心疾患や脳血管系疾患です。過労死ラインの目安は80時間の時間外労働とされていますが、半年間を平均して45時間以上の時間外労働が続いている業務でも、健康は損なわれやすいと考えられています。会社が労働環境を変える努力をしない場合は、自身の命を守るためにも、労働基準監督署などの公的機関に一度相談することをおすすめします。

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