足底筋膜炎サポーターは痛み改善に役立つ?

2018/7/26 記事改定日: 2020/4/14
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

足底筋膜炎になると、ひどきときは歩くのもままならないほど強い痛みが襲ってくることもあります。この記事では、足底筋膜炎サポーターの効果と、足底筋膜のケアで使えるマッサージの方法について解説していきます。

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足底筋膜炎の痛みの特徴は?

足底筋膜炎を発症すると次のような症状や特徴的な痛みが現れます。

  • 歩行時などに足の裏全体に痛みが生じ、かかと部分にとくに強い痛みが走る
  • 立ち上がったときなど、足の裏に一気に負担がかかると強い痛みが生じる
  • 足の裏の痛みはかかとからつま先に広がることが多い

通常、これらの痛みは安静にすれば10分程度で自然に改善していきます。しかし、進行して炎症がひどくなると安静にしているときにも足の裏に鈍い痛みを感じるようになることも少なくありません。

足底筋膜炎は放置する期間が長くなるほど、腱膜などが硬くなって神経が刺激されることで症状が悪化していきます。思い当たる症状がある場合はできるだけ早めに病院を受診しましょう。

足底筋膜炎の痛みにサポーターは効果ある?

足底筋膜炎用のサポーターをつけることで痛みをある程度やわらげることはできますので、痛みで生活に不具合がある場合は頼ってみてもいいでしょう。痛みを軽減することはQOLだけでなく、治癒を早めることにもつながります。

ただし、サポーターの目的はあくまで「患部への負担を減らす」ことです。患部の負担を減らすことで治癒を早めたり、楽に過ごせるようにすることはできますが、あくまで補助的なものであることを理解しておきましょう。

また、足の裏の痛みは足底筋膜炎が原因のこともありますが、外反母趾やモートン病、腰椎椎間板ヘルニア、糖尿病性神経障害など、他の原因も考えられます。痛みの原因が足底筋膜炎ではないのに「足底筋膜炎サポーター」をつけても、改善は望めないでしょう。

痛みがあるとき、まずは何が原因で痛みが発生しているのかを探し出すことが大切です。まずは整形外科を受診して、痛みの原因を特定してもらいましょう。また、サポーターをつけても痛みが改善しないときは、すぐに使用を止めて整形外科を受診しましょう。

サポーター以外に足底筋膜炎の痛みをケアする方法はある?

足底筋膜炎の痛みをケアする方法として、おすすめしたいのはふくらはぎのマッサージです。ふくらはぎを柔らかくすると、足底筋膜への牽引力を弱めることができ、痛みが緩和することがあります。

ふくらはぎマッサージのやり方

  1. 座った状態から、痛みを感じる足の膝を曲げる
  2. 両拇指を自分のふくらはぎの中央に当て、膝の裏の下からマッサージを始める
  3. ふくらはぎの中央を指で押し、気持ちいいと感じる強さで圧迫する
  4. 5秒ぐらい押し続けたら一度手を離し、老廃物を流す
  5. 少しずつ手をアキレス腱に向かって動かし、指圧を繰り返す(目安は5か所ほど、3往復)

押す場所は、合陽・承筋・承山の3つのツボと、押すと固く感じる部分を意識して押してみましょう。ただし、強すぎたり押しすぎたりすると痛みが悪化します。力加減に気をつけながらマッサージしてください。

おわりに:痛みの原因を特定した後は、セルフケアも取り入れながら治療を進めていこう

サポーターもマッサージも痛みの原因を根本解決できるわけではありませんが、痛みの軽減や治癒を早めることには役立ちます。普段の生活でも痛みを感じてつらい場合は、治療の補助のひとつとして実践してみましょう。ただし、痛みを治すには「原因を特定」が大切です。痛みが長く続く場合は必ず整形外科を受診しましょう。

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